留学情報

留学体験談

交換留学(スウェーデン王立工科大学)

スウェーデン王立工科大学_吉本 日和さん

プログラム種別
交換留学
留学年
2025年
言語
英語
地域名
欧州
行先国名
スウェーデン
大学名
スウェーデン王立工科大学
部局名
工学部
課程
学士
新渡戸カレッジ
非該当

スウェーデン王立工科大学(スウェーデン)2025年1月~2026年1月

【所要経費】

教科書代に関しては、ほとんどがCanvas(北大でのELMS)上で入手可能であった。
住居費8800 SEK、食費 2000~2500 SEK、交通費 100 SEK(旅行などを除く)、その他1000 SEK
日本円で月20万円程度
別途往復航空券40万円

 

1.渡航前の手続きについて

①ビザ(VISA)又は滞在許可書

学生ビザをオンラインで申請した。留学先の大学から入学許可証が届いた後にMigrationsverket でオンライン申請をし、デジタルパスポートチェックを経て2週間以内で申請が受理された。
カードは現地で受け取るため、郵送で届く書類を空港で見せる必要があった。現地でのカードの申請に関しては、指紋と顔写真を撮る時間を予約するのに時間がかかった。特にStockholm 中心部のオフィスは混んでいるため、時間があれば郊外のオフィスを予約した方が空いている。

 

②航空券について

ANA の飛行機を購入した。HND→ARN の直行便は2025 年3 月以降からだった為、行きはANA のHND→MUC経由からルフトハンザのMUC→ARN、帰りはARN→HNDの直行便を往復で購入した。
帰りの日にちが前後しそうだったため、フレックスで購入した。周りでは、Turkish AirやFinn Airで乗り継ぎで帰っている人もいた。

 

2.到着直後の手続きについて

①大学関係

札幌と比べて土地の勾配があり、雪の中スーツケースを動かすのに苦労した為、タクシーを使った。
授業登録に関しては、シラバス上にありながらも授業の未更新や人数不足で申請したStudy Plan 通りに開講されないこともあるので、幾つか候補をメモしておくと良い。

 

②滞在許可書関係

1①を参照。
私を含め、途中で滞在期間を延長する場合は、延長の許可が降り次第なるべく早く申請する必要があると思う。

 

③その他

なし

 

3.留学生活について

①大学関係

KTH の学生は授業が終わっても図書館やスタディスペースで勉強する人がほとんどなイメージ。特に図書館はとても快適で、長時間作業に向いていると感じる。
一方でスウェーデンの文化として、学生にも労働基準法のように勉強する時間の制限があるため、18時以降まで勉強している学生は多くないと感じた。ワークライフバランスがきちんと確保されており、家族や友人と過ごす時間が確保されている文化や、現地の学生は大学まで授業料が無料のためバイトしている学生は多くなく、きちんと勉強しているイメージがあった。

 

②大学の所在する街(町)の様子

雪の降る量は札幌と比べて少ないが、土地の高低差があるため風が強い。夏に関しては、日本のように暑苦しいような気候ではないため、4〜5月以降はずっと春のような気候。半袖はそこまで用意していく必要はないと感じた。そのため秋も短く、9月後半からは肌寒いためジャケットは必須。
ヨーロッパのため、一年を通して乾燥している。特に冬は湿度30%ほどの時もあるため、風邪をひかないようなケアが大切だった。

 

③授業について(そのⅠ)

日本のように暗記する科目が少なく、取り扱う内容も幅広い。基本的に1ターム2科目のため、1 週間に授業あたり3〜4コマx 2時間のようなイメージ。ある程度基礎知識を講義で学んだあと、プロジェクトでこの技術を実際の社会にどのように応用していくかを検討し、それを10〜20 ページのレポート+プレゼンテーションで評価される。そして最後に授業全体の筆記試験がある。
KTHでは、留学生向けの一般科目に近いような科目と、現地学生が受講する必修科目に分けられるが、私は材料工学の専門性を高めたかったため基本的に現地学生の必修科目を受講していた。そのため、授業では私以外は正規の修士学生+Double Degree Masterの学生だった。ただ、1年を通して材料工学の科目をいろいろ取っていたため、授業のメンバーがほとんど一緒で仲良くなることができた。
元々海外経験があり英語での授業にそこまで難しさを感じなかったため、留学生としての特別なサポートは受けていないが、基礎知識に関しての資料は、担当教授に連絡すれば頂けると思う。
KTH は、学部生の授業は基本的にスウェーデン語であり、英語での授業は修士学生以上のレベルしかないため、内容は少し難しくなるが、授業数はそこまで多くないので学習に十分に時間を割けると思う。

 

④授業について(そのⅡ)
(最も興味深かった授業)

EQ2300 Digital Signal Processing、音声信号処理に関する授業。専門とは少し離れるが、個人の趣味で音楽・楽器演奏があり、MATLAB やプログラミングスキルをさらに磨きたいと思ったため受講した。専門外かつ修士レベルの授業だったため、基礎知識がなくキャッチアップするのに時間を要した。
実験を通して自分たちが組み立てた音声フィルターを自分の耳で聞けたことに感動した。

 

(最も困難だった授業)

MH2058 Materials Processes II、金属材料のプロセス工学に関しての授業。講義もあったが、メインは6 人グループでのプロジェクトで、スウェーデンの鉄鋼メーカーAlleima との共同研究だった。
社員の方からデータを頂き、それを元にシミュレーションを行い改良版の組成を提案した。1タームでの授業だった為2ヶ月ほどで仕上げるのが大変だった。内容も修士学生向けでありハイレベルであったため、毎日論文を読んでノートにまとめてを繰り返し、毎週のミーティングでやっと議論に入れるくらいだった。講義だけでなく、実際の現場を見て、シミュレーションとデータ解析を行い、企業
にプレゼン+レポートを提出する、という一連の大きな流れをこの授業できたのはとても価値のある経験だった。

 

⑤大学が提供するサービスについて

毎週図書館でLanguage Caféという場所があり、週1回日本語でのコミュニケーションを行えた。日本からの留学生や、現地の日本語を勉強している学生など20〜30人ほどで2時間おしゃべりができ、息抜きになっていた。また、日本とスウェーデンの文化の違いをたくさん知ることができたコミュニティであった。

 

4.住居と食事について
① 住居

KTH Accommodationで申請をし、Malvinas VägというKTHキャンパス内の寮にずっと住んでいた。他の寮と比べて、日本のアパートのように全てが自室にあり“寮”という感じではなかった。部屋も多分新築に近く、とても住みやすかった。家賃は8800 SEK/月、住み始めた当時(2025年1月)は日本円で12万程度だったが、円安の影響により2026年1月現在15万になった。KTH Accommodationで申請できるキャンパス外の他の寮(Lappisなど)では、キッチンはシェアだが5500 SEK/月ほどで借りられる。
私が住んでいた寮はキャンパス内だった為、授業の10 分前に家を出て歩いて行っても間に合う距離だった。
洗濯は週に1回、共用のランドリーに行き、洗濯機+乾燥機を3時間のスロットで回していた。洗濯物を溜まってしまうため、タオルはスウェーデンについてからIKEAでたくさん買った。

 

② 食事

最初の2ヶ月はKTHの購買(THS Nymble Restaurant)で100 SEKでたまにランチを食べていたが、節約のために自炊を始め、後半はほとんど自炊だった。外食は安くても1食100〜200 SEK、1700〜3000円するため高く、ご褒美の感覚。また、日本食が恋しくなったため米を鍋炊きしていた。鶏肉や鮭を焼いたり、カレーを作ったりしてお弁当にし、昼ごはんを大学で食べるときはそれを持って行っていた。

 

③インターネット環境

自分のPC を持って行った。寮は入居時にすでにWi-Fi ルーターがあり、すぐに接続できた。通信速度も全く問題がなかった。

 

④住居に関するアドバイス

留学先でも私のようにきちんとパーソナルスペースが欲しい人は、Malvinas Vag のような全て自室にある寮はおすすめだと思う。また、電車の運賃もまあまあ高いかつ冬は寒すぎて移動が億劫になるので、キャンパス内は便利。ただ、家賃を抑えたい人や、寮でも人ともっと交流したいと思う人は、Lappisなどがおすすめだと思う。

 

5.留学生活全般について

KTHはスウェーデンの中でもトップの工科大学であり、スウェーデンの東京工業大学とも言われるレベルであったため、正規学生全体のレベルだけでなく、留学生のレベルも高かった。そのためモチベーションが下がることはなかった。日本ではバイトや部活が忙しく、自分の勉強にちゃんと向き合う時間が少なかったが、留学に来て土日に何も予定がないと自分と向き合う時間や、趣味に使う時間が確保できてとても良かった。また同時に、授業の内容も基礎知識の講義だけではなく、実際にどう応用するか自分で研究するようなプロジェクトが毎授業あり、自分でリサーチ→検討→実装→提案の流れができたため、それを1年繰り返したことで自分がどの研究分野に行きたいか、将来のキャリアプランをどのようにしていくかを明確にすることができた。

また、個人的にKTHで日本文化サークルのサークル長を務め、20人程度のメンバーと共に、月に1回現地学生60〜70人を対象とした日本食・アニメのイベントを開催していた。設立当時は参加者数の心配があったが、今では1日で予約が埋まるほどのイベントへと成長した。海外で日本文化が人気であるのは知られているが、実際に目の前にして日本食のワークショップを楽しんでくれている様子やネイティブレベルになるほど日本語を勉強している人と多く関わってきたことで、日本とスウェーデンの文化交流に一役買うことができたと考えている。

留学先の選択に関しては、ヨーロッパの中でもスウェーデンは国民の性格が日本人と似ているとよく表現され、シャイな感じや礼儀がある感じがとても心地よかった。治安も日本と同じかそれ以上であり、過ごしやすかった。白夜や冬の日照時間が6時間程度になることに関しては、慣れが必要だと思うが、街自体がそれに順応しやすいような文化が多いので、そこまで心配する必要はないと思う。
また、街の雰囲気がTHE北欧という感じでとても綺麗で、物価は高いがそれを除けば留学先としてとてもいい選択肢だと思う。

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