![]()
留学情報
留学体験談
交換留学(ブレーメン大学)
ブレーメン大学_櫻井 奎志郎さん
- プログラム種別
- 交換留学
- 留学年
- 2024年
- 言語
- 英語
- 地域名
- 欧州
- 行先国名
- ドイツ
- 大学名
- ブレーメン大学
- 部局名
- 理学部
- 課程
- 学士
- 新渡戸カレッジ
- 該当
ブレーメン大学(ドイツ)2024年9月~2025年2月
【所要経費】
往復航空運賃:\245590(燃油サーチャージ、出入国税等込、預入手荷物23kg*2)
保険料:海外旅行保険…\53900、J-TAS…\20378、ドイツ法定保険(AOK)…€128.50/月
教科書代:€20.50(ドイツ語クラス用、専門科目の教科書はなし)
交通費;semester feeを払うことでドイツ全土の公共交通機関(高速鉄道などの例外有)は無料
Semester fee:€284.50
家賃:€320/月
スマホ通信料(10GB/月、電話番号付き):€8.99/月
食費:€200/月
娯楽費:約€300/月
計 約130万円
1.渡航前の手続きについて
①ビザ(VISA)又は滞在許可書
日本出国前のVISA取得は大使館の来館予約が困難だったことから諦め、現地で滞在許可書を発行しました。大使館の来館予約は6週間後までの予約枠が不定期に開放されるようで、前日にキャンセルが出て枠があくこともあるようです。可能なら出国前にVISAを取っておいた方が楽だと思います。
②航空券について
なるべく安心できる航空会社を選びたかったのでルフトハンザを利用しました。最寄りの空港はブレーメン空港で、日本からの直行便はありません。価格重視だとエアチャイナやオランダ航空を選ぶといいかなと思います。
2.到着直後の手続きについて
①大学関係
住所が決まった後に大学に住所登録をしました。これを忘れると学生証とセメスターチケット(公共交通機関が基本無料になるチケット)が発行されません。
留学生向けオリエンテーションは学期が始まる1か月ほど前から始まります。参加は自由ですが、友達をつくるのにちょうどよく日本人ともここで知り合えたので、疲れない程度に参加するといいです。オリエンテーション期間中は留学生向けのドイツ語講座も開講されますが、こちらは2か月ほど前から事前申請が必要です。1日3時間、週5日で3週間続く、結構ヘビーな集中講義です。
履修については学部の国際交流担当の先生が面談の時間を設けてくださいました。私が履修を希望する授業について、難易度や時間割を一緒に確認していただく形でした。ちなみにこのとき簡単に学部棟と海洋地球科学の研究棟の見学もさせていただきました。
履修登録についてですが、ブレーメン大学では履修授業をテスト期間前まで変更することができます。どの授業の単位を取るかテスト前まで悩むことができるので、あまり学期開始前に悩みすぎることもないかなと思います。ただし、履修登録期間中でも定員を超えるとキャンセル待ちになってしまう授業もあるので注意が必要です。
②滞在許可書関係
申請したか:はい
日数:申請してから手続き完了まで75日、許可証受け取りはさらに27日後
費用:発行手数料100ユーロ
日本人の場合、90日間はVISAなしでのドイツ滞在が認められており、この期間中に滞在許可書を申請すれば、無理に日本でVISAを取る必要はありませんでした。滞在許可書は外国人局にメールで記入済み様式、パスポートのコピー、住所登録証明、法定保険証書、留学先の在学証明書、北大の成績証明書、閉鎖口座の登録証明を送ることで申請できました。発行手続きが完了したのは約3か月後、実際に発行された許可証を受け取ったのは約4か月後でした。発行手数料として100ユーロがかかりました。とにかく手続きが遅くどれだけ対応を急かしても柳に風なので、気長に待つしかありません。私は滞在期間が半年だけだったので、滞在許可を得る前に大学から帰国の準備を促すメールが送られてきて面白かったです。申請のメールが正常に送信されていれば、滞在許可書無しで90日の滞在期間が過ぎても違法とはされないようです。
③その他
他には保険証書の受け取り、SIM開通(ALDI TALK)、閉鎖口座の利用開始手続き、入居手続き、住所登録、滞在許可証申請を到着後すぐに行いました。
保険証書の受け取りは、出国前にメールで登録していた保険会社の窓口が大学にあるので、そこへ行って名前や学部を伝えて証書を受け取るという形でした。私が契約したのはAOKですが、保険会社によって手続きに違いがあるかもしれません。
SIM開通に関してはALDI TALK(大手スーパーALDIが販売する格安SIM)を利用しました。ALDIの店舗でスターターキットを買い、説明通りに手続きをしたらその日のうちに使えるようになりました。
閉鎖口座の利用開始手続きは日本でもできると思いますが、確か住所を登録する必要があり、家が見つかるまで手続きができなかったのだと記憶しています。フォーマットをアプリで入力し、オンライン面談で本人確認を行って完了でした。
住所登録はアパートメントへ移住後2週間以内に行う必要がありました。日本の転入届と似た感覚ですが、家主から居住証明のようなものをもらい、それを申請用紙と一緒に提出する必要があります。また市役所も予約制でほとんどの場合2週間後までの予約枠は埋まっているので、できれば1か月ほど前に予約をしておくほうがいいです。なおブレーメンの場合毎日朝8時半に予約枠が更新され、その日の予約枠も2,3枠空くので、急ぎの場合はこの時間に予約フォームのサイトを更新するといいと思います。住所登録が済むと滞在許可書の申請ができるようになります。
一番苦労したのは家探しです。到着時点で家が決まっていなかったので、1週間はホステルに滞在しました。ブレーメン大学は(ドイツの大学は一般的にそうですが)寮の競争率が高く、大学関係者に相談したら「半年前には予約しておかないと入れないよ」といわれたほどです。1か月ほど前からWG-gesuchtやAirbnbなどの空き物件が検索できるサイトでアパートメントを探していましたが、募集に対して応募件数が多くほとんど内見予約もできません。最終的にブレーメン大学の国際交流課と何度かメールのやりとりを重ね、個別にアパートメントを紹介していただきました。到着3日後に内見し、ちょうど1週間後に契約を完了することができました。留学生はみんな家探しに苦労している様子で、1か月ほど友達の家を仮住まいとして家探しを続ける留学生もいました。
しつこくなりますが、ドイツの役所は動きが遅いのでとにかく早めの行動(1か月先の予約、余裕を持った必要書類の準備)を心掛けるといいです。住所登録の予約は日本からでもできるので、出国前に枠を確保しておいてちょうどいいと思います。
3.留学生活について
①大学関係
中心部からトラムで一本のアクセスの良さがありながら、自然が多く静かな雰囲気の大学です。研究施設が密集しているほか学生マンションも多く、スーパーやベーカリーもあるので、キャンパス自体が小さな町のような印象を受けます。ドイツ人以外の学生も多く、キャンパス内ではほぼ英語だけで生活できます。
②大学の所在する街(町)の様子
基本的に治安はいいですが、中央駅周辺などはホームレスが多かったりデモが行われたりと油断できない雰囲気です。中央駅を利用するたび一度はお恵みを求められますが、きりがないのできっぱりと断りましょう。冬になると札幌以上に昼が短く、夜が明ける前に出勤・通学することになります。普段の買い物には困りません。アウトレットやイケアも市内にあります。
③授業について(そのⅠ)
ドイツの大学は学部が3年制なので、日本の学部3年生向けの授業より専門的な印象でした。毎週の課題が課されることは少なく、殆どは期末試験のみで成績をつける評価方法でした。ほかには、中間のプレゼンと期末試験で評価する授業や、授業中に課されるレポートの評点と期末試験の結果で成績をつける授業がありました。日本の授業に比べて先生と生徒の間での質疑応答が活発で、双方向的な授業、という印象でした。授業において留学生向けの特別なサポートはなかったと思います。前述のような雰囲気なので、聞き取れない単語やわからない概念があったときはその場で聞き返していました。
④授業について(そのⅡ)
(最も興味深かった授業)
Paleoceanography -Core Lab and Field Studies-:
週4時間かけて、海洋コアを用いた古環境復元について、実際のコア試料を観察・分析しつつ学ぶオムニバス形式の授業です。毎週異なるコア試料を用いるだけでなくそこに記録される地質学的イベントもK/Pg境界やOAE2など有名なものばかりで、ブレーメン大学の海洋地球科学の強さを実感させられました。与えられたテーマについて10分程度のプレゼンを行う機会も3回ほどあり、英語力も身につく授業でした。
(最も困難だった授業)
Basics of Organic Geochemistry;
週2時間で有機分子を用いた地球化学について学ぶ座学の授業です。分子化石に興味があり履修したのですが、化学と生物の前提知識が不足しておりついていくのが大変でした。評価方法が試験のみで、経験したことのない口頭試験だったことも私にとって困難でした(ドイツの大学の期末では筆記試験と口頭試験が半々くらいの割合で行われるようです)。それでも有機地球化学に対する視野を大きく広げることができたので、とても楽しかったです。
⑤大学が提供するサービスについて
私はほとんど利用しませんでしたが、ライティングサポートやカウンセリングがあったり、試験対策講座を学生団体が開いていたり、また教職員だけでなく子育て中の学生も利用できる保育園が併設されていたりと、様々なサービスが充実していたように思います。日本のサークル活動のようなものはほとんどないです。生協が運営する学食とカフェがあり、特に学食は安価でおいしいドイツ料理が食べられますが、アジア料理に関してはあまりおいしくないという評価が多数です。Udon Suppe(うどんスープ)という料理もあるのですが、少なくともうどんではないし麺料理でもないなにかでした(ドイツ人、インド人、プエルトリコ人の全員から「まずいから食べてみて」と言われたメニューなのでとても印象に残っています)。
4.住居と食事について
① 住居
大家さんが住む一軒家で、建物は同じですが独立した玄関がついているワンルームのアパートメントに一人で住んでいました。恐らく倉庫か何かをリノベーションしたのだと思います。家賃は320ユーロ/月で標準より安かったです。大学まではバスで15分ほどでした。
② 食事
ほぼ自炊でした。外食すると高い一方、ALDIやLidlといったスーパーではとても安く食材が買えます。節約すれば週10ユーロくらいで過ごせました。週一くらいでカフェテリアの2ユーロくらいのベジタリアンメニューを食べていました。
③インターネット環境
基本的に資料がpdfなのでコンピュータまたはタブレットが必須です。私の住居ではインターネット無料でした。基本的に不自由はなかったですが、室内でも場所によっては電波が拾えないこともありました。他の物件もインターネット利用料が家賃に含まれているものがほとんどでした。
④住居に関するアドバイス
大家さんがドイツ語しか話せないのが難点ですが、大学へのアクセスがよく、静かで散歩向きな公園も近くにあり、家具もそろっていて半年から一年の滞在にちょうどいいと思います。外国語でのコミュニケーションを積極的にしたい、ドイツ文化に親しみたいという人はWG(シェアルーム)のほうがおすすめです。
5.留学生活全般について
私が留学経験から学んだもっとも大きなことは、人間社会は想像以上に広く多様であるということです。
留学中、本当に様々な人と交流をすることができました。もちろん同じ学科のクラスメイトを中心に現地のドイツ人とも交流をしましたが、留学で他の国(主にヨーロッパ諸国)から来ている学生とも話す機会がありました。ERASMUSというヨーロッパ圏内+中央アジア、北アフリカの一部での留学プログラムがあり、特に新歓時期はPub CrawlやKaraokeなど毎週何かしらERASMUS向けのイベントがあったため、そこに参加することで交流の幅が大きく広がりました。その中で、留学前は常識だと思っていたものがどんどん崩れていくのを感じました。ドイツ文化でいえば、ドイツ人に毎日シャワーを浴びているといったら「洗いすぎも皮膚に悪いんだよ」と驚かれたり、2週間だけの移動遊園地のために狸小路の観覧車くらいの観覧車が設営されていたり、授業は普通規定時間の15分遅く始まって15分早く終わったり、といったところが印象に残っています。
他の留学生とドイツ文化について話すのも楽しかったです。ポーランドの友達が「ポーランドではクリスマスには魚を食べる」と言ってドイツの肉肉しいクリスマス料理を不思議がっていたり、ドイツ人好みにアレンジされたラーメンを食べた後にトルコの友達が「ドイツのケバブはおいしくない」といっているのを聞いてシンパシーを感じたり、どれも異文化を別の異文化から見てみるという刺激的な体験になりました。このように留学先で様々な人とネットワークをつなげることで、より大きなネットで世界を受け止められるようになったと感じます。
こういった体験は日本ではなかなかできないものです。留学を終えて日本に帰ってきたとき、安心するとともに、この国は孤立していて一様だなあと思いました。年々外国人観光客や労働者が増加しているとはいえ、ドイツに比べて外国人を見かける頻度が圧倒的に低く、異文化の価値観を理解しにくい環境だと感じます。日本の文化を否定する気はまったくありませんが、これから留学を考えている人にもぜひこういった日本の小ささを感じてほしいと思います。
トラブルが起きた時についてアドバイスすると、私はとにかくしつこく自分の要求を主張してみることを心掛けました。日本では失礼千万な態度ですが、ドイツではこうしないと自分が困っていることを理解してもらえませんし、一度理解してもらえばとても親切に対応してくれます。間違っていると思ったことは素直に間違っていたと認め、自分のせいではないと思うことははっきりと自分のせいではない、自分はやるべきことをやったと主張することが大事です。ただ、こちらに落ち度があるとあなたの責任だと言われて取り付く島もないので、書類提出や証明書の保管などは怠らないように気を付けましょう。
最後にドイツ語能力について触れておきます。私は第二外国語でフランス語を選択したこともあって、ドイツ語は出発半年前から独学した程度です。それでも、役所の窓口や大学のカフェテリアでときどきドイツ語しか伝わらないことがあるほかは、英語だけでも十分生きていける国でした。英語圏じゃないからといって避ける必要はないので、気になる大学がドイツにあるのならぜひチャレンジしてみてほしいと思います。ただし使えるときはドイツ語を使った方が、敬意を示すことにもなりますし、より現地の雰囲気を感じられます。