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留学情報
留学体験談
交換留学(トゥルク大学)
トゥルク大学_河井 里実さん
- プログラム種別
- 交換留学
- 留学年
- 2024年
- 言語
- 英語
- 地域名
- 欧州
- 行先国名
- フィンランド
- 大学名
- トゥルク大学
- 部局名
- 法学部
- 課程
- 学士
- 新渡戸カレッジ
- 該当
トゥルク大学(フィンランド) 2024 年8 月 ~ 2025 年5 月
1.渡航前の手続きについて
①ビザ(VISA)又は滞在許可書
申請から取得まで約1か月。書類準備の期間も合わせると約2か月かかった。
特に、大使館の予約が混み合っていて、申請後2週間先の枠しか取れず。
大使館の予約だけでも先にしておくことをおすすめする。経費は約10万円。
②航空券について
初めてのヨーロッパだったので、直行便のFinnairを予約。
関空からヘルシンキ空港に到着した。
格安も存在するが、ほとんどの日本からの留学生は直行便(FinnairかJAL)を利用していた。
2.到着直後の手続きについて
①大学関係
ひとりひとりに現地の大学生がチューターとしてついている。
現地での手続きはほとんどチューターがやってくれていたので、寮までスムーズに向かうことができた。
また、わからないことも、日本にいるうちからチューターに気軽に聞くことができた。
一方、寮に入居できるかは争奪戦のため、いち早く申し込むとよい(5月初旬)。
②滞在許可書関係
申請していません。
③その他
換金はほとんど必要ない。現金を使う機会は本当にないので1万円でも多いくらい。
wiseを登録は、強くおすすめする。普通にクレカで払うより、為替手数料が少ないため。
3.留学生活について
①大学関係
トゥルクは、大学が3個集まったまちなので、学生文化がとても盛ん。
キャンパス内だけではなく、まち全体を巻き込んだ学生のイベントが多々あり、フィンランドの学生として現地の文化に深く入り込むことができた。
大学同士の垣根も低く、違う大学のキャンパスに行ったり講義をとることも可能。
②大学の所在する街(町)の様子
治安は日本より良い。毎日安心して生活できた。
基本バスかシェアサイクルで移動する。
スーパーマーケットの選択肢がたくさんあり、とても快適に生活できた。
③授業について(そのⅠ)
基本すべてのテストは、3回まで受け直すことができる。
公用語は英語ではないので、英語の授業をとると大半が留学生だった。
毎回20ページほどのarticleを読んでから、授業を受け、そのあとは習ったことをもとにlearning diaryを書く授業が多かった。
④授業について(そのⅡ)
(最も興味深かった授業)Aspects of Sociology and Politics of Education
政治×教育で、自分の興味のど真ん中だった。
また、授業内でのディスカッションパートが多く、多様な国から来た留学生と意見を交わしながら、高度に発展していると言われるフィンランドの政治×教育と、日本のそれを比較して考えるのが面白かった。
(最も困難だった授業)Freedom of Expression
慣れない法律の専門用語が多い。
また、ヨーロッパの法律を大前提に話が進むため、日本の法律を基礎知識として持っている私には、とても理解に苦労した。
⑤大学が提供するサービスについて
特色のあるサービスのおかげで、たくさんのフィンランド人の友人をつくることができた。
① Language Circle:学びたい言語ごとにグループをつくって各自で活動する。私は、フィンランド語、日本語、英語のサークルに入った。
② Friendship Program:現地のフィンランド人と外国人をマッチングするシステム。これで、結婚式に招待してくれたフィンランド人の女の子と、トゥルクに長く住みとっても物知りなフィンランド人のおじいちゃんと友達になり、毎週交流することができた。
③ ESN・その他学生主催イベント:学生文化がとても盛んで、フィンランドならではと思われる学生向けのイベントがたくさん開催された。
4.住居と食事について
① 住居
1学期:キッチンのみシェアのアパート。寮費は1か月6万円。大学まで徒歩10分。
ルームメイトはいないが、同じフロアの12人で月1一緒にご飯を食べる会を開催した。留学生だけでなく、正規生も多く住んでいる大規模なアパートだった(1000人以上)。
2学期:自分の部屋はあるが、キッチン・バスルーム・廊下などは共用のシェアハウス。寮費は1か月5万円。大学までバスで30分。ルームメイトが1~2人。
一帯の建物には留学生しか住んでいなかった(約150人)ため、皆でファミリーのように暮らしていて、しょっちゅうご飯を持ち寄って皆で食べたり、クラブルームに集まって話したり一緒に勉強したりしていた。
② 食事
基本自炊。
昼は大学のカフェテリアに行くことが多い。1食約500円で、ビュッフェ形式。
栄養満点で、毎日メニューが変わる上に、30個ほどカフェテリアの選択肢があり、食には困らなかった。
週2~4で、フィンランド人の友人とご飯をつくり合ったり、留学生とご飯を一緒につくって食べたりもした。
③インターネット環境
使い慣れたラップトップを持参。
住居内ではeduroamを使うことができるが、とても弱い。
一方DNAというSIMカードは1か月3000円で無制限で使えたので、PCを使うときもスマホのデザリングで対応していた。
④住居に関するアドバイス
よっぽど1人が好きな人以外は、シェアハウスを希望することをおすすめする。
フィンランド生活に慣れてきたのもあるが、他の住人との距離が近いことで、引越し後の2学期の方が圧倒的に楽しく、また友人とも深く交流することができた。
綺麗で、キッチンも部屋も広く、快適に過ごせた。
5.所要経費について
①1年間(または1学期間)の所要経費について
往復航空運賃:25万円。留学保険料:10万円。教科書代:なし。
住居費:約6万円/月。食費:3万円/月。交通費:6000円/月。
やはり物価は高かったです。でも学生に優しい国のおかげで至る所で学割使えました。
6.留学生活全般について
この留学で学んだ一番大きいことは、人との深い関係性のつくり方だ。一見「留学なのに一番がそれ?」と思う人もいるだろうが、「日本人の私」が「幸せな国ランキング1位のフィンランド」にあるトゥルク大学に1年留学したからこそ得られた、人生で大きな分岐点ともなる学びだ。
私はどんな人とでも仲良くなれるタイプで友達は多いが、なんでも話せる友人は少ない方だった。常にこれを言ったらどう思うだろう、と相手の反応や見られ方を深く考えてしまい、本音や弱みを見せるのが苦手な人間だった。日本人には「気遣いや遠慮」が美徳とされる価値観も相まって、そんな人も多いのではないか。
フィンランドは、ヨーロッパで一番日本人に近い国民性だと言われている。たしかに、パーソナルスペースが広かったり、落ち着きを好んだり、他のヨーロッパと比較してフィンランドに親近感をとても感じた。しかし、ある一つの点だけは大きく違った。それは「Talk Straight」の文化だ。留学先で祖父ほどの年齢のフィンランド人の友人ができたのだが、初対面で彼に『僕はお米が好きじゃないんだ』と言われた時、日本人の私にとってはちょっとショックだった。とっさに「お米=日本人のアイデンティティなのに、そんなことを私に言うなんて。もしかして私と仲良くしたくないのかな。」と考えてしまったからだ。しかし、これはフィンランドの「Talk Straight」の文化の表れだった。”Finnish people say what they think”と言われ、言ったことのそれ以上でも以下でもなかったのだ。
また、別のフィンランド人の友人と話していた時、すぐに彼氏と素敵な関係を築いた彼女に感心して「あなたは本当に人間関係のプロフェッショナルだね」と私が褒めた。すると、彼女は少し驚いたような顔で、真剣なトーンでこう返してくれた。「人間関係において、プロフェッショナルは存在しない。誰も完璧じゃないし、一緒に相手と手探りで築いていくものだ。だから、Talk Straightでちゃんと伝え”合う”必要があるんだよ。」と。私はこのやりとりがとても心に残った。そしてその後、友人と意見がぶつかったり、不穏な空気が流れたりした時は、疑問や思ったことを相手にどう思われるかを考える前に素直に伝えるようにした。すると、その不和や不穏さは案外すぐに解決するものであることが多かった。
この成功体験を機に、自分の弱みや不安も、相手にどう思われるかを考えないようにして、Talk Straightに話してみた。これも、意外と相手は私に悪い印象を抱くどころか、そのまま受け入れたり私を助けようとしてくれることが多かった。
その結果、このフィンランド留学生活の1年間で、なんでも話せる初めてのタイプの友人ができた。しかも複数人。大学の講義、小学校訪問、語学サークル運営、文化交流イベント企画、旅、パーティ開催など、留学中本当にたくさんの経験や学びをさせて頂けたが、それらを差し置き、彼ら彼女らと出会いこのような関係性を築けたこと自体が、私の留学生活で一番大きな財産だ。
ところで、これだけで終わるのはあまりにも個人的な観点すぎると思うので、一般的な話も最後に書いておきます。
【応募について】私は、大学卒業を遅らせて留学に行く決断をしました。就活で苦労したり、留学先で同い年の子が少なかったりしましたが、そんなのは全く問題ではなかったです。まちがいなく、人生にこの1年があってよかったといえます。留学を迷っていて、このまま行かなかったらおじいちゃん/おばあちゃんになっても後悔するだろうな、と思う人は絶対応募した方がいいです。
【就活について】留学と就活の両立はかなり大変でした。何が大変かというと、頭の切り替えです。留学中は、英語でものを考えて、現地の生活に熱中したいのに、就活で、日本語で考えて、就活用に対策や選考を進める必要があり、不器用な私には、かなりきつかったです。実際、オンラインで選考できる企業も多いので、両立そのものは不可能ではありません。ただ私は、結果的に、日本に帰ってからも就活を続ける道を選びました。留学だけでなく就活もやりきったと思いたいこと、留学中に新たな大切にしたい価値観を見つけたこと、が理由で内定はあるが自分の就活に納得しきれなかったからです。6月以降も受けられる会社の選択肢は十分にあるのと早く働き始めたいので、このまま26卒になる予定です。皆さんは、留学から帰って就活に専念する分1年伸ばしても良いと思います。
【留学のアドバイス】留学の目的が「現地の社会や文化」に関連する場合は、首都でない街を選ぶのがいいと思います。首都だと、都会すぎて現地の人との関係性が希薄だったり、普遍化している可能性があるからです。個人的に、フィンランドに興味がある場合は、トゥルクは最高の街だったといえます。古都なので、歴史が多様な文化をつくっていたし、大学が多く学生文化にも盛んに触れることができました。
【大変だったこと】英語ができなすぎて、毎月落ち込んでいました。そんな時は、友人に相談したり、友人と一緒にご飯をつくって食べたりして、もう一度できないに立ち向かうエネルギーを得ていました。私からは励ましとして「ダニングクルーガー効果の曲線」を紹介します。科学的な正確さはさておき、私は“今は大きなジャンプの前に深くしゃがんでいる時期”なんだよって、自分にも言い聞かせていました。具体的な英語の勉強方法は、ネットでたくさん調べて片っ端から試して、自分に合う方法を模索していきました。