留学プログラム

海外ラーニング・サテライト

オーストラリアにおける保全医学

1)概要
本プログラムでは、オーストラリアにおいて先進的に取り組まれている保全医学および外来生物管理に関する教育を目的として、ディーキン大学を拠点としたフィールド調査および研究実習を実施した。オーストラリアおよびニュージーランドは独自の生態系を有する地域であり、外来種の侵入による生態系攪乱が大きな課題となっている。特に外来齧歯類の管理のために使用される強力な殺鼠剤による野生動物への二次的中毒など、野生動物保全に関する社会的問題が報告されている。
本プログラムでは、こうした問題を背景として、野生動物モニタリングおよび外来種管理の手法についてフィールド実習を通じて学ぶとともに、科学的エビデンスに基づいた野生動物管理の重要性について理解を深めることを目的とした。また、渡り鳥であるオオジシギを対象とした腸内細菌叢および薬剤耐性遺伝子の解析を通じて、野生動物と感染症の関係について研究的視点から学習する機会を提供した。

2)フィールド調査およびモニタリング実習
現地では、メルボルン市内およびGreat Otway国立公園周辺において野生動物モニタリングに関するフィールド実習を実施した。
メルボルン市内では、ポッサム(Ringtail possumおよびCommon brushtail possum)の個体数モニタリング調査に参加し、夜間に目視調査を行うことで都市環境における野生動物の生態調査手法について学習した。調査ではGISを用いて選定された複数地点を巡回し、ポッサムの個体数および分布を記録することで、都市環境における野生動物管理の実際を理解した。
また、Great Otway国立公園周辺では、道路下に設置された水道管を利用する野生動物のモニタリング調査に参加した。調査ではセンサーカメラおよび超音波録音装置を用いて野生動物の利用状況を記録し、機材のメンテナンスやデータ回収作業を行った。取得された映像にはコアラ、ワラビー、ポッサムなどの固有種に加え、外来種であるネコやキツネも確認され、外来種が固有生態系に与える影響について理解を深める機会となった。

3)研究実習(腸内細菌叢および薬剤耐性遺伝子解析)
研究実習では、渡り鳥であるオオジシギの糞便試料を用いた腸内細菌叢および薬剤耐性遺伝子の解析を実施した。
採取された糞便検体からDNAを抽出し、シークエンス解析(MinION)を用いた微生物解析を実施した。得られたデータについては薬剤耐性遺伝子データベースを用いて解析を行い、野生鳥類における薬剤耐性遺伝子の存在状況について検討を行った。
これらの研究実習を通じて、野生動物を対象とした分子生物学的解析手法およびバイオインフォマティクス解析の基本的手法について学習した。

年度
2025年度
実施期間
2025/10/12~2025/10/27
分野
獣医学
エリア
オセアニア
派遣先
オーストラリア
ディーキン大学
実施責任者(所属部局・氏名)
獣医学研究院
石塚 真由美 教授
提供科目名(開講部局・単位数)
オーストラリアにおける保全医学(獣医学部・1単位)
履修者公募の有無

更新日:2026年5月28日

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