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留学情報
留学体験談
交換留学(国立政治大学)
国立政治大学_山﨑 弘樹さん
- プログラム種別
- 交換留学
- 留学年
- 2024年
- 言語
- 中国語
- 地域名
- アジア
- 行先国名
- 台湾
- 大学名
- 国立政治大学
- 部局名
- 文学部
- 課程
- 学士
- 新渡戸カレッジ
- 非該当
国立政治大学(台湾)2024年9月~2025年1月
【所要経費】
往復航空運賃:5万円~6万円
留学保険料 :約4万5千円
教科書代 :7千円~8千円
住居費 :4万5千円(保証金約5000円は除く)
食費 :一食約500円×3食×30日×5か月=22万5千円
交通費 :一回の乗車につき50円~150円
書籍代 :3万~4万円
娯楽費(旅行を含める):6万円~7万円
1.渡航前の手続きについて
①ビザ(VISA)又は滞在許可書
私は半年間の交換留学であった為、台北駐日經濟文化代表處札幌分處で停留ビザ(マルチビザ)を申請しました。申請に必要な書類を集め、事前に先方に申請予約の連絡をした上で、当該所で申請をしました。申請経費は7000円ほどで、先方で担当してくださった方はビザの公布までに1,2週間はかかると仰っていましたが、実際には3週間超かかりました。ビザの申請については、なるべく早くやっておいた方がよいでしょう。
②航空券について
利用した航空会社はタイガーエア台湾で、新千歳空港から出発して、桃園国際空港に着きました。国際交流課よりLCCの利用はなるべく避けるようにと言われていますが、日系大手の航空会社を利用する金銭的余裕は全くなかった為、今回はLCCを利用せざるを得ませんでしたが、リスク管理等も含めると、日系大手の航空会社を利用した方が「安全」だとは思います。
2.到着直後の手続きについて
①大学関係
授業登録及び寮への入居申請は出国日までに済ませていたので、到着直後はオリエンテーションへの出席と日用品の買い出しだけで済みました。ここで注意したいのが、寮の中に寝具があるかどうかに就いてです。基本的に政治大学の場合は、寝具はマットレス(やや硬め)しかないので、それ以外の枕や毛布、シーツの買い出しが必要になってきます。事前に抑々寮の中に寝具があるかどうか、そして寝具の販売店等を大学当局に問い合わせておいた方が無難でしょう。
②滞在許可書関係
滞在延長申請は行いました。基本的に、停留ビザと雖も入国後60日後或いは90日後に内政部移民処を訪ねて滞在延長を申請する必要があります。しかし、私の場合はマルチビザで一度祖父の葬儀の為に帰国していた為、滞在延長申請は自動で行われていたようです。
③その他
必要があれば、必ず別送品申告書を税関(海関)に届け出るようにしてください。もし、必要があるにも拘わらず、未申請であれば、一定期間後に罰金が科せられるようなので、よくよく注意してください。
3.留学生活について
①大学関係
国立政治大学は元々中国国民党の幹部養成機関として設立された教育機関のため、国民党関係の書籍、档案が多数収蔵されており、それに加えて、社会科学系の研究機関も多数設立されております。学生も図書館等で熱心に学業に励む姿が多数みとめられ、本人に学問に対するやる気さえあれば、学習環境については最高水準にあるものと思われます。
また、これは蛇足ですが、留学生活にはち切れんばかりの期待を寄せる方もいらっしゃいますが、過度な期待、即ち妄想とまで言えるような期待をもってしまうことはオススメできません。国立政治大学の現地学生も他国からの留学生も皆同じ「大学生」です。授業中に堂々とゲームに興じている台湾人学生や、授業中にSNSでの呟きを呆けた目で巡回している台湾人学生、もはや中国語を話す気も勉強する気もさらさらないような留学生、堂々と「留学は遊ぶために来た」と言ってはばからない留学生、寮の廊下で濃厚な口づけを交わしている男子留学生の二人、深夜に謎の奇声を発する留学生、トイレの「仕方」を知らない留学生、そしてキャンパスに設置されているゴミ箱から溢れるゴミの山、、、等々問題は言い切れない程あります。しかし、それと同時に当該大学には素晴らしい学習環境もあり、幅広い見識を持ち合わせている台湾人学生、留学生もいます。彼らが図書館の地下室で一緒に肩を並べて未明まで勉強している姿を頻繁にみかけます。つまり、日本の大学と同じように学生本人の志の持ちよう如何によって留学生活は良くも悪くも大きく変わることになると思います。
②大学の所在する街(町)の様子
治安は比較的良好ですが、繁華街ではスリ等が屡々発生しているみたいなので、その点は注意しておいた方がよいでしょう。気候に就いては、夏季の灼熱のような暑さを除けば一年を通して比較的温暖で、そこまで分厚い服装は必要ではないと思います。しかし、冬季になるとやや肌寒い日も屡々訪れるので、防寒用の上着を少し持っていくことをお勧めします。
国立政治大学周辺には多種多様な飲食店、コンビニ、商店等が立ち並び、また交通条件も非常に好条件のため、日常生活を送る上では十分すぎるほどの利便性を見出せます。またインターネットショッピングで購入したものも近くのコンビニで直ぐに受け取ることができるので、ものを買う上では少なくとも台北では目立った不便は殆ど無いと思われます。
③授業について(そのⅠ)
私が今期に受講した授業は、①戰後台灣史與國際關係②臺灣的時空旅行③華語-特別班應用華語④台灣史⑤台灣近代社會文化史 の以上5つです。①を除いて全て中国語で行われる授業です。授業形式については、基本的に(双方向)講義型で、指定論文や文献を事前に読む予習等を前提に授業は進められます。課題も(北海道大学文学部と比べると)比較的量が多く、その処理に追われました。ただ、その課題についてはそこまで難しくはないので、過度に心配する必要はないと思います。「台灣史」の授業については、担当してくださった先生のご厚意で期末試験を期末レポートに変えていただけましたが、(華語-特別班應用華語 を除いた)その他の授業では全て期末レポート乃至期末試験があり、日々の授業態度、毎回の課題の提出状況を含めて総合的に成績評価がされます。しかし、余程のヘマをしない限り、成績表を見てうな垂れることはないと思うので、安心してください。
特に苦労したことは台灣近代社會文化史の期末レポートです。指定文字数が5千字のレポートで、結果的には8千字を超えるレポートを提出できましたが、これが留学生活の中で一番つらかったです。提出期限ぎりぎりになるまでレポートを書いていたので、精神がすり減り、心身共にダウンしました。
④授業について(そのⅡ)
(最も興味深かった授業)
「台灣近代社會文化史」です。大東亜戦争下に於ける台湾人社会の諸相及び東南アジア戦線に於ける台湾人兵士の活動に就いて中心的に扱っている講義で、戦時下の極限状況下で彼らが如何に事態に処したのかという点について考えました。指定論文や文献を読んで各々考えたことを発表していく授業で、最後に期末レポートが課せられました。私は期末レポートで林茂生という台湾人哲学者をテーマに戦時下の彼の言論活動について考えましたが、その過程で皇民化への圧倒的な社会的圧力の中で、彼が如何に(日本国民としての)台湾人の地位保全に「努力」していたのかということを見出せる史料を見つけた時は彼の台湾人としての粘り強さを感じました。
(最も困難だった授業)
同上です。期末レポートの指定文字数が5000字で結果的に8000字以上書く事になりました。中国語で8000字なので、心身共にすり減らされました。
⑤大学が提供するサービスについて
大学の国際交流部門が定期的に留学生交流イベントを催しているみたいなので、もし機会があれば、積極的に参加するとよいでしょう。
4.住居と食事について
① 住居
住居の種類は学生寮(自強五舎)で、4人部屋でした。寮費は一学期間で約45000円で、保証金も5000円ほど支払う必要がありますが、台北市内のアパートと比較すると、破格の安さでしょう。大学までの通学手段は校内バス或いは徒歩で、徒歩であれば約15分でキャンパスに着きます。自強寮を選択する場合は特に注意することが2つあります。一つ目はルームメイトとの相性です。学生寮(自強五舎)では4人部屋で共同生活を送るのですが、基本的に大抵の問題は話し合いでどうにか解決することができます。しかし、話し合いでは解決しにくい問題もまた存在するもので、特に「ニオイ」の問題は適切な対処法が見つけにくくその解決が非常に困難になってきます。他人のニオイの問題を指摘することは実に気に病まれますが、そのまま放置しておくと自分の最低限度の生活環境保持線まで浸蝕してくるので、スマートに問題を解決することが望ましいです。このような問題を未然に防ぐためにも、自分の衣類や布団のシーツ等は定期的に洗っておくことをお勧めしておきます。二つ目はルームメイトとのコミュニケーション手段です。基本的に交換留学生のルームメイトは同じ交換留学生で、中国語は基本的に話さず、全て英語でコミュニケーションが取られます。私も最初は欧米系の留学生と同じ部屋だったのですが、台湾の大学に留学するのにまさか英語を話すことになるとは思ってもみなかったので、すぐに中国人留学生がいる部屋に変えてもらいました。恐らく私の場合が例外だと思うので、英語は喋れるのに越したことはないでしょう。
② 食事
台湾は外食文化のため、3食外食でした。1食あたり大体500円程で毎日食べる分にはちょうど良い価格設定だと思います。寮にもキッチンがあるため、自炊をしようと思えばできるにはできますが、調理器具等の準備を考えると、安価な外食を食べた方が食費のコストは安く済みます。
③インターネット環境
部屋の中では、無線wifiがつながらないため(廊下やエントランスでは何故か使えますが)、有線のインターネットを使用しました。ただ、その設定が非常にややこしく、中国人のルームメイトに助けてもらって何とかインターネットを使えるようになりました。無線wifiはあまり期待しすぎない方がよいでしょう。
④住居に関するアドバイス
(夜中に欧米系の留学生が騒いでいたり、鼠が部屋の中に入ってきたり、トイレや台所を恰も未就学児の如く汚して回っていたりすること等に対する)一定のストレス耐性があれば、是非お勧めしたいです。
ただ、そこまで気張らなくてもいいと思います。こういった問題も数日経てばすっかり慣れてくるものなので、個人的にはオススメしたいです。
6.留学生活全般について
この留学を通して「人に上手く頼る」能力の重要性を痛感しました。まずもって留学生は何かしらの困難に直面した時、それを一人だけで解決することは殆どの場合不可能です。拙い中国語ながらも何とか誰かに助けを求め、拙い中国語力で何とか相手の言っていることを聞き取る。そして、それをもとにまた誰かに再び尋ねる・・・の繰り返しで何とかトラブルを解決することができます。或いは台湾人学生、中国人学生に相談して彼らに一部手伝ってもらう等々、誰かに尋ねたり相談したりしてやっと解決できる問題もあるでしょう。
ここで重要なのは誰かに頼るという点です。日本では極論誰にも頼らず一人だけで解決でき得る問題が殆どだと思いますが、異国の地では、ほとんどの問題は誰かに頼って初めて解決の糸口を見つけることができます。しかし、誰かに頼るといっても全面的に頼るのは不可で、「上手く」誰かに頼れるよう努力しなければなりません。いつどのようなタイミングであればいいか、どのように問題のポイントを抑えた上で相談すればよいかをよく練った上で、誰かに尋ねたり相談したりして「上手く」頼る。これが社会的に重要な能力であることを本留学を通してひしひしと痛感しました。
留学中に小琉球島という島に旅行に行きましたが、その過程で野良猫に手を引っ掻かれたり、足にウニの棘が深くささったりして、病院に掛かることがありました。幸い、北海道大学で事前に加入していた海外保険のおかげで、治療費用をすべて賄うことができました。必ず海外旅行保険には加入しましょう。
基本的に英語は日常生活に困らない程度には喋れるようになっておきましょう。「中国語を勉強するために台湾に来たのに、なんで英語を喋らなければならないんだ・・」という思いはあるでしょうが、そこはぐっと抑えて、英語の勉強は続けてください。英語の勉強を怠ったまま台湾に来て、ルームメイトが簡単な中国語さえ話せない(否、抑々喋る気すらない)と分かった時に絶望するのは貴方です。英語は頑張りましょう。どうしても英語を喋りたくない場合は、国立政治大学の国際合作事務処に中国人留学生と同じ部屋にしてもらえるよう事前に強く申し入れしておくことをお勧めします。恐らく中国語圏の留学生とその他の文化圏の留学生は扱うセクションが違うから一緒の部屋にすることはできないと返信が来るでしょうが、私という前例があるので、めげずに強い態度(傲慢という意味ではないです)で臨みましょう。