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留学情報
留学体験談
交換留学(グルノーブル政治学院)
グルノーブル政治学院_坂本 華奈さん
- プログラム種別
- 交換留学
- 留学年
- 2024年
- 言語
- 英語/フランス語
- 地域名
- 欧州
- 行先国名
- フランス
- 大学名
- グルノーブル政治学院
- 部局名
- 文学部
- 課程
- 学士
- 新渡戸カレッジ
- 該当
グルノーブル政治学院(フランス)2024年9月~2025年1月
【所要経費】
往復航空運賃:40万円
留学保険費:1万円
住居費(月):5万円
食費(月):3万円
ほか生活費(月):5000円
交通費(月):3万円
娯楽費(月):3万円
旅行費:15万円
1.渡航前の手続きについて
①ビザ(VISA)又は滞在許可書
学生ビザを取得した。2024年6月5日にCampus Franceからオンラインフォームを入力し、6月26日に在日フランス大使館にてビザ申請を行った(大使館での学生ビザ申請には事前予約が必要なので注意。)。大使館での申請に必要な書類は事前によく確認した方がよい。申請に必要なフォームをWeb上で事前入力し印刷して提出する必要があった。書類の不備についての連絡が滞り、ビザが自宅に届いたのは、申請から1か月後の7月26日(通常は2週間程度)。
②航空券について
全日空の東京・パリ便を利用。パリからグルノーブルは高速鉄道(TGV)で3時間程度だが移動が少し大変。リヨンからは電車で1時間程度なので、リヨン(LYS)空港を利用している人も多くいた。
2.到着直後の手続きについて
①大学関係
大学の寮での入居手続きは、基本的には鍵を受け取るだけだが、フランスの住宅保険に入っていなかったためその場で加入した。その後、枕・シーツ・鍋・カトラリーなどが入っているウェルカムキット(無料)を受け取った。授業の履修登録は、渡航前にオンラインで行ったため必要な手続きはなかった。
②滞在許可書関係
オンラインで滞在許可証の申請手続きを行った。入国後3か月以内に行わなければいけないので注意。
③その他
銀行は国際送金もできるRevolutというオンラインの銀行で新たに口座を開設したため、対面での手続きは必要なかった。パスポートなどの書類をアップロードし、1日程度で口座開設ができた。
市内で使えるレンタル自転車の登録は、新学期の9月初旬に多くがはけてしまうので、早めに行うのがおすすめ。市内で使えるトラム・バスの定期券は、販売店に行かないと購入できないが毎回切符を買うよりはかなり費用が浮くので購入した方が良いと思う。
3.留学生活について
①大学関係
グルノーブル政治学院は、機構としては独立しているものの、グルノーブル・アルプ大学という総合大学のキャンパスの中に位置している。キャンパスは、市の中心部からトラムで15分ほどの場所に位置し、北大の札幌キャンパスと同じくらいの大きさで非常に広い。キャンパスに隣接して寮や学生向けの住宅がある。
グルノーブル政治学院では、留学生用のコースが用意されており、世界各国から200名程度の留学生が来ているため、国際色豊かな雰囲気になっている。ERASMUSというEU内の留学制度を利用したヨーロッパ出身の学生が8割程度で、その他は南米、アジア出身の学生で構成されている。総合大学のキャンパス内に位置しているため、他の学部や機構の学生、留学生との交流も盛んに行なわれている。
②大学の所在する街(町)の様子
グルノーブルは、フランスの南東部、アルプスの近くに位置している。スイス・イタリアまではバスで3時間程度で行くことができる。3つの山に囲まれており、街のどこにいても山が見えるので非常に美しい。
人口20万人の中小規模の都市で、ハイキングやスキーで有名だが観光客は少ないため、都市の中心部でも人が多すぎるということはない。生活に必要なものは市内で揃えることができ、日本食を購入できるアジアンスーパーも市内に何店舗かある。
山の近くに位置するものの、冬もそこまで寒くはならず、降雪量も少ない。盆地に位置しているため、時々大気汚染のアラートが出る。
グルノーブルは、フランス国内でも治安が悪いとして有名らしいが、それは市内の一部地域の犯罪率が高いことによるものだと思われ、基本的にキャンパス近くで生活する分にはあまり問題はない。
公共交通機関は、トラムとバスが利用でき、市内であればどこでもアクセスできるので便利。
③授業について(そのⅠ)
授業は、留学生向けのコースで、必修科目と選択必修科目に分かれていた。フランス語の語学の授業と、フランスの社会・歴史・文化についての授業が必修科目で、選択必修科目では、ジェンダー、地政学、国際政治、国際協力などの授業が用意されていた。授業の言語は、渡航前に受験した語学力診断テストの結果によって、フランス語か英語かを選ぶことができた。
④授業について(そのⅡ)
(最も興味深かった授業)
ヨーロッパ以外の地域の歴史や文化、社会について扱う講義。古代四大文明から始まり、主にアフリカ大陸の国々の歴史や文化を中心に講義が進んだ。アフリカ大陸の国々の文化や歴史について新たに多くのことを学ぶと同時に、過去から繋がるフランスの植民地主義の問題と正面から向き合う機会となった。留学生向けにも開講されていた授業であったものの、他にいた学生は私以外フランスの現地の学生だったのも興味深いと感じた。
(最も困難だった授業)
国際政治の変遷についての概説的な議論を扱う講義。毎回の授業で概説書30ページ分の予習が課され、授業中はPC,ノート、教科書などを見るのは一切禁止され、教授の質問に対する学生の発言によって授業が進む。国際政治をそもそも専攻していなかったことや、よく発言する他の留学生たちに圧倒され、最初は授業に着いていくことも難しかった。次第に授業の形式や雰囲気に慣れていったが、一番負担が大きい授業だった。
⑤大学が提供するサービスについて
最初の1週間は、Integration weekとして交流イベントが多く行われた。特に、留学生と新入生でグルノーブル市内の有名な要塞に登るのは毎年の恒例行事らしく、印象的なイベントだった。グルノーブル・アルプ大学の中にあるため、政治学院だけでなく他の学科や学生団体が主催するイベントにも参加でき、様々な学生と交流することができることが強みだと思う。
政治学院では、留学生向けに、フランスの現地の学生と留学生をマッチングさせフランス語を練習する機会を設けることを目的としたチューター制度が用意されている。私の場合は、現地の学生一人と、留学生二人でグループとなり、定期的に集まってフランス語での会話をしたり、市内を観光したり、現地の学生のパーティーに連れて行ってもらったりした。留学生と関わることは多くてもフランスの現地の学生と関わる機会は限られてきてしまうためこの制度はとてもありがたかった。
また、政治学院では2年次での留学が必修であり、現地の学生の半分が留学経験者であることから、留学生に対して理解のある学生が多く、過ごしやすかった。
4.住居と食事について
① 住居
大学が提供するCROUSの寮に住んでいた。ベッド・トイレ・シャワー・冷蔵庫が各部屋についていて、キッチンは各階に1つ(各階20人程度、コンロは3口)。入居してから2ヶ月ほどは自分の階のキッチンが何かの問題で閉まっておりとても困っていた。家賃は300€程度。大学までは、トラムで10分程度、徒歩で15~20分程度。基本的に一人部屋で、キッチンを使いたいときだけ部屋を出るため、同じ寮の人との交流自体は少なめだった。
② 食事
スーパーで売っている安いサラダや果物、パンを主に食べていた。学食は安いが、常に混んでいるためあまり利用しなかった。
③インターネット環境
PCとタブレットを持参した。寮の敷地内にあったフリーWi-Fiを利用していた。ただ、時々接続が不安定になることがあり、復旧に時間がかかることもあった。
④住居に関するアドバイス
CROUSの寮は、家賃が安く大学に近いため、交換留学で滞在するなら一番良い選択肢だと思う。多くの留学生が同じ寮に住んでいるため、友達と夜遅くに帰宅する際や集まって料理をする際にも便利である。施設は必ずしも綺麗で便利なわけではないが、半年~1年であれば問題ない程度だと思う。
5.留学生活全般について
行く前に想像していたより、ずっと多くの人、景色と出会った留学生活だった。新たなものと出会うたびに、自分とその対象との境界・距離・違い・共通点を常に意識させられ、自分の形がよりはっきりしていったように思う。
グルノーブルは、とても住みよい街だった。日本でよくもたれるきらびやかなフランスのイメージとはかなり違うが、美しい山に囲まれ、時間がゆっくりと流れていく、落ち着いた街だった。自然にあふれているので、その美しさとレジャーやスポーツを享受できると思う。 グルノーブルを選んだのは、私が大学2年生の時に北大に交換留学に来ていたフランスの子と友達になり、その子がグルノーブル出身だったから、という単純な理由であった。現地では、到着初日から帰国の日まで、その子に沢山お世話になった。その子の友達や家族とも仲良くさせてもらい、かけがえのない時間を過ごすことができた。人との縁は何にも代えられない貴重な財産だと身をもって感じた。
グルノーブルといえど、フランスという西欧の中心にいるということは、大学の授業や他の留学生との交流、日常生活の中で意識させられることが多かった。特に私が学んでいた国際政治は西洋の規範が中心の学問だ。まるで自分が普遍で正義であるかのような顔をしている西洋の姿を直接感じることとなった。日本から来た身として、ヨーロッパの中で私は確実にマイノリティであったが、そのことは想像よりは辛くなかった。目の前にいるヨーロッパ出身のように見えるこの人も日本に来ればマイノリティになり、日本で「外国人」と呼ばれる人たちが受ける視線や対応も心地の良いものでないこともあるだろうと考えたら、お互い様かと受け入れられる部分もあった。
言語を学ぶことの大切さも実感した。フランスにおいては、英語とは単なる手段でしかなく、それが自分にとっては楽なことも多くあった。ただ同時に、現地語を話せる人のアドバンテージはとても大きいと思った。完璧に話すことができなくても、勉強していて話そうとしている姿勢を見せるだけで、相手との距離はぐっと縮められる。どの国に行くにしても、英語が話せれば困ることはないのだが、現地語を学ぶことはその国で暮らす人たちに対するリスペクトとして必要なことだと感じた。
半年間は、短かったが、半年と思えないほど充実していた。渡航前にお世話になった先生、大学職員の方々、留学先で出会った友人たち、家族に特に感謝を伝えたいです。ありがとうございました。