留学情報

留学体験談

交換留学(アムステルダム自由大学)

アムステルダム自由大学_大平 倫生さん

プログラム種別
交換留学
留学年
2024年
言語
英語
地域名
欧州
行先国名
オランダ
大学名
アムステルダム自由大学
部局名
法学部
課程
学士
新渡戸カレッジ
該当

アムステルダム自由大学(オランダ)2024年8月~2025年7月

【所要経費】
総額:約230万円(休暇旅行費用を除く)

内訳

往復航空運賃:往復約24万円

留学保険料:約15万円

教科書代:0円(オンラインで無料で公開)

住居費:月額475€(約9万円)、大学の斡旋料:500€

食費:月3万円程度(±1万円)

交通費:自転車(100€程度)、電車(月3000円程度)

娯楽費:月50€程度

1.渡航前の手続きについて

①ビザ(VISA)又は滞在許可書

VISAの種類:学生VISA 申請先:IND(オランダ入国管理局)取得にかかった日数:4から5か月

経費:275€(当時のレートで約45,000円)

申請手続き:滞在期間や、留学する予定の大学、銀行の残高証明等の情報をオンラインでフォームに記入し申請。審査に合格すると、番号が発行され、オランダ到着後1,2か月後にユトレヒト(Utrecht)にある事務所で在留カードを回収し手続き終了。

困ったこと:申請で提出する銀行の残高証明書には、厳しい要件があり、その要件を満たさない残高証明は、要件不充足として申請が却下される。私はゆうちょ銀行の英文残高証明書を利用したが、なかなか審査が通らなかった。残高証明が要件を満たすように、必要な情報(本社所在地の住所、電話番号、代表者の名前とサインなど)を残高証明に記載してもらえるようにゆうちょ銀行と交渉し、なんとか審査は通った。ほかの日本人留学生も、同じように残高証明で苦心しており、大学にそのままお金を振り込むことで審査をクリアしている学生も見られた。将来アムステルダム自由大学に留学を希望する学生は、なるべくゆうちょ銀行以外の金融機関を利用して、残高証明を発行することを推奨するが、日本において、要件を完全に満たしている金融機関はおそらく少ないと思われる。

②航空券について

利用航空会社

往路:タイ航空、KLMオランダ航空(成田⇒バンコク⇒コペンハーゲン⇒アムステルダム)

121,360円

復路:中国東方航空(アムステルダム⇒上海浦东⇒成田)118,010円

大学最寄りの空港名:アムステルダム スキポール空港(Schiphol)

格安航空券情報:Trip.com Sky scanner あたりのサイトが最安値だと思われる。直接航空会社のHPから予約した方が安い場合もあるので、要確認。

おすすめの経路:KLMオランダ航空は、成田と関空から直行便を出しているので、決して安くはないが、乗り換えに不安がある人は利用してもいいだろう。また、中国系の航空会社は、ヨーロッパ路線をたくさん持っているので、比較的航空券が安いことに加え、23㎏×2個まで預け入れ荷物が無料なので、個人的にはこちらを勧めたい。しかし、中国の人は、基本的に英語が話せる人が少く、特に中国国内ではGoogle、LINE等西側諸国のアプリが使えなくなるので、乗り換えの際、中国に滞在する人は十分注意してほしい。

2.到着直後の手続きについて

①大学関係

学生寮

空港到着後、そのまま学生寮に向かうと、地下室のような場所に案内され、部屋の使い方、注意点などの説明を受け、部屋のカギを受け取る。その際無料でSIMカードがもらえるので、空港で購入する必要はなかった。

自転車の購入

事前申し込み不要で、中古の自転車のフリーマーケットのような会が開催された。オランダでは自転車があると移動がとても便利なので、特別な事情がない限り購入を検討するべきである。価格は100€前後だったと記憶している。ここで自転車を購入しなくても、月極で自転車をレンタルできるサービスなどもあるが、おそらくこのフリーマーケットで購入する、もしくはフリマアプリを利用するのが一番安い。

交流会

学生寮に新しく入居する学生同士の交流会も開催された。お酒やお菓子を持参して、食べ歩き、飲み歩きしながらキャンパス周辺を散歩しながら、学生間の交流を深めるもの。緊張しながらも、とても面白かったので、ぜひ参加してみてほしい。

バディープログラム

アムステルダム自由大学の正規の学生(ほとんどオランダ人)がバディーとなり、バディー1人、交換留学生4人程度で一組のグループで飲み会やパーティー、オランダ観光などをする。ほかのグループと合同でイベントを行う場合もあり、人脈を広げる貴重な機会なので参加されたい。参加者の出身国は、日本、韓国、台湾、中国、インドネシア、ドイツ、イタリア、アイスランド等多岐にわたる。

オリエンテーション

アムステルダムでの過ごし方全般について、大学の講堂でオリエンテーションが開催された。当たり前のことしか説明していなかったので、他のイベントと比較して優先順位は低めだと思う。

※授業登録

Period1,2,3の履修登録は、オランダ到着前の6、7月ごろにオンラインで行った。オンラインのZoom説明会で、履修登録の仕方について丁寧に説明してくれるので、参加するべきである。基本的には、北大と同じようなプロセスで履修登録をしていくことになるが、取りたい授業が交換留学生にも開講されているのか、必要な英語力を自分が持っているのか等、注意しながら履修科目を選択していく必要がある。

 

②滞在許可書関係

基本的には①で述べた通りである。一つ付け加えるとすれば、これらのVISA、在留許可書の申請は、ほとんど大学経由で行われるので、大学からの連絡、メール等常に注意して確認し、提出物の締め切りを忘れないようにすべき、ということである。

 

③その他

銀行口座

オランダでの生活に必須だと考え、現地の銀行口座(ABN AMRO)を開設したが、自分はSMBC信託銀行の外貨預金口座とデビットカードだけで生活することができたので、結果的に利用する機会がなかった(現金はほとんど使わなかった)。オランダの口座に入金するには、日本から送金する必要があり、為替手数料や送金手数料等考慮すると、日本の外貨預金口座と紐づけたデビットカードを利用するのが一番お得だと思われる。特別の事情がない限り、オランダの銀行口座は開設しなくてもいい気がする。

 

3.留学生活について

①大学関係

アムステルダム中心街から電車で約20分、学生寮から自転車で10分ほどの郊外にある、新市街のきれいなキャンパス。北大のキャンパスほど広くはなく、必要な設備、スーパーやコンビニ、食堂などはキャンパス内にあり、不便に感じることはほとんどなかった。スポーツジムが大学構内と、学生寮の近くにあり、学生は割引価格で加入できる。図書館の開架書庫の本の数が極めて少なく、本棚をぶらぶら歩きながら読む本を選ぶことはほとんどできない。しかし、事前に大学のホームページから予約をすれば、図書館の受付で受け取ることができる。蔵書数については具体的に把握できなかったが、読みたい資料には容易にアクセスできたので、困ることはなかった。

自分の感覚では、オランダ人5割、留学生5割で、アジア系の留学生はかなり少なかった。自分は法学部の授業を主にとっていたが、周りの学生はほとんどオランダ人とドイツ人、イタリア人で、アジア人は自分一人だった。かなり英語に癖がある学生が多く、初めのうちは何の会話をしているのか、ついていけなかったが、少しずつ慣れていき、授業の内容もおおむね理解できるようになっていた。

北大との大きな違いは、学生の年齢の幅だろう。18歳から22歳はもちろん、社会人経験を積んだ25、26歳の学生、30代の学生もかなりの人数確認できた。何歳になっても学問をあきらめない姿勢に感銘を受け、自分も将来どこかのタイミングで、修士号に挑戦してみたいと考えるきっかけになった。

 

②大学の所在する街(町)の様子

治安

危ない思いをしたことはほとんどないので、治安はいいといえるだろう。しかし、アムステルダムの一部地域では、非行に走る中高生が確認されている。自分も夜間自転車で帰宅している途中、15~16歳くらいの少年ら2人組から、打ち上げ花火を投げつけられたことがある。治安がいいとはいえ、海外なので、夜間の外出は極力控えるのがよいだろう。

気候

北海道よりも寒くなく、暑くもない、かなり過ごしやすい気候である。春と秋は、基本的に北海道と同じような天候で、服装も特段気を付ける点はない。夏は30℃を超えることはあったかもしれないが、基本的に30℃以下で推移していたような気がする。しかし、オランダはいたるところに水路があり、蚊が多いので、日本から虫よけ、蚊取り線香、ムヒ等を持参しておくとよい。冬は0度を下回ることはほとんどないが、周辺国に旅行に行く予定があるのであれば、十分に防寒対策をする必要がある。

アムステルダムの利便性

公共交通機関(バス、鉄道、トラム)がよく発達しているので、中心街には30分程度で行くことができる。また、自転車専用レーンがいたるところに整備されているので、自転車をうまく使えば交通費を抑えながら町を散策できる。中心街には、美術館や博物館がたくさんあるので、ぜひ行ってみてほしい。学生寮の近くには、スーパーやショッピングモール、飲食店やバーなどがあり、買い物をする際に不便に感じたことはない。アジア系の食料品雑貨店もショッピングモールにあるので、安くはないが、お米やしょうゆなども調達することは可能である。空港までは、バス、トラム、鉄道を利用して40分ほどでアクセス可能である。タクシーやUberも利用可能だが、学生寮から空港までの道路は、渋滞になりやすいので、フライトに乗り遅れないようかなり余裕をもって行動することが求められる。

 

③授業について(そのⅠ)

私が履修した授業は基本的に、法律、社会科学系の授業で、学期末試験の結果のみで成績判定を行う、いわゆる法学部型の授業だった。事前に授業内容に関連する内容の論文がオンラインで公開されるので、授業までにそれを読むことが求められるが、課題という形で課せられるわけではないので、それが成績判定の材料になることはなかった。履修した授業のうち、2つはプレゼンが単位認定のために必須だったので、クラスメイトと協力して準備を進めていった。北大の授業で、プレゼンが求められたことはほとんどなかったので、パワーポイントの使い方や、資料の作り方など、クラスメイトが丁寧に教えてくれてとても助かった。授業中でも、学生は積極的にわからないことを質問しており、なかなか北大では見られない光景だなあと、学生の意識の高さに感銘を受けた。

日本の法学部の授業と異なる点は、条文の解釈よりも、論点や判例の理解が優先される点である。条文が重要でないわけではないが、刑法各論や会社法のように、膨大な量の条文に目を通す必要はなく、重要な論点に必要な条文のみ取り上げる、という形式を採っていた。実際、ポケット六法のようなものはなく、オンラインのデータベースで公開されている条約、条文集を用いて授業は行われていた。期末試験の際には、各自で印刷した条約集のほか、紙の辞書、授業ノートの持ち込みが認められている授業もあったが、持ち込みが一切認められていない授業もあった。英和辞典などは、日本から持ってきてもいいと思われる。

留学生と正規生とでサポート体制に差異はなかったように思われる。ただ、授業についていくのが大変だと、教授に相談すると、わざわざ時間を取って自分の話を聞いてくださった。自分から助けを求めれば、きちんと向き合ってくれる先生方が多かった。期末試験や、最終レポートは、対策の仕方などわからない所が多く、とにかく苦労したが、SOSを周りの学生や教授に出し続けることでどうにか乗り越えることができた。ためらわずに助けを求めていけば、必ず助けてくれる人が自分の周りにはいたので、大変恵まれた環境で勉学に励むことができたといえる。

 

④授業について(そのⅡ)
(最も興味深かった授業)

知的財産権保護のための、国際的な法的枠組みに関する授業。日本で学んだ知的財産法の授業がかなり生かされ、自力で最後まで授業についていくことができた。知的財産権に関する条約が、主な講義のテーマだったが、ヨーロッパだけでなく、北米やアジア、オセアニアでの重要論点について理解を深めることができ、日本と海外の法整備の違い着目しながら学習することができた。

講義の中盤で、4人組のグループで重要論点についてのプレゼンを行う機会があったが、事前にしっかり準備、練習をしたおかげで、ミスをすることなく発表することができた。途中セリフを忘れて慌ててしまいそうになった場面はあったが、その場でセリフを考えながら話すことができたので、自分のアドリブ力、英語力の成長を実感することができた。

 

(最も困難だった授業)

多国籍企業とサプライチェーン上の人権リスクに関する授業。普段私たちが手にしている、比較的安価な食料品や衣料品、電子機器がいかなるプロセスで生産されているのか、その過程において、どのような人権侵害のリスクがあるのか、これらを取り除くためにはどうしたらよいか等、北大の授業ではあまり学んだことがないようなテーマで、大変興味深かった。

最も困難だったポイントは、最終レポートである。とにかく量が膨大で、今まで書いたこともないような量の英作文に大変苦労した。また、読まなければならない論文の数も大量で、授業の日までに読み終えることができないこともしばしばあった。しかし、授業の内容が、将来自分が就職する会社とかなり密接に関連しているものだったので、義務感のようなものを感じながら必死に食らいつくことができた。

 

⑤大学が提供するサービスについて

自分は大学が提供しているサービスなどをあまり利用していなかったので、いかなる特色があるのかについて詳しく把握してはいない。学業面については、何か困ったことがあれば相談できるサポーターのような存在があるとは聞いたことがある。もっとも、何か困ったことがあれば、教授に相談するのが一番良いと思われる。精神面のサポートについても、自分は特に利用しなかったのでわからないが、精神面でのサポートをしてくれるカウンセラーが大学にはいるので、何か心配なことがあっても、話を聞いて切れる体制は整っていたと思う。

課外活動だが、主に学生団体のようなものがあるだけで、スポーツの部活動やサークル、同好会のようなものは無かったと思う。もしかしたらあったのかもしれないが、新歓のたてかんのように、大々的に宣伝しているわけではなかったので、在学中にその存在を把握することはできなかった。学生団体は、主にイベントサークルのようなもので、週に1、2回集まってお菓子を食べたり、旅行に行ったり、映画を見たりする団体である。自分は所属していなかったので、内情はよくわからないが、興味のあるものは参加してもよいだろう。

また、大学のホームページでは不定期で(Social event)と称し、パーティーや座談会のようなイベントを宣伝している。自分は、日本に留学に行った人または興味がある人と、日本人留学生の交流会に参加した。参加者は皆日本語が喋れたり、日本について興味のある人がほとんどなので、外国人の友人作りをするにはとても良い機会であった。日本人留学生とのつながりも作ることができるので、ぜひ参加されたい。

 

4.住居と食事について

① 住居

住居の種類

学生寮で2人部屋。各自個室が与えられ、広さは8~10畳くらい。バルコニーがついていて、洗濯ものが干しやすかった。キッチン、風呂、トイレは共有で、風呂とトイレが一体になっているユニットバススタイルだが、かなり広い。ルームメイトは1人いた。日本人だった。洗濯機は備え付けられていなかったので、同じ建物の地下一階にあるコインランドリーを利用した。料金は、洗濯一回2.5€、乾燥機もあるが、使ったことはないため料金は覚えていない。

寮費

一か月で475€(当時のレートで8~9万円)、家賃光熱費込。最初の1、2か月と終わりの2、3か月分は入居前に支払いをする必要がある。また、布団や布団カバー、洗剤、食器、鍋、フライパンなど、生活に必要な雑貨類が入った箱を購入させられる(100€くらいした気がする)。この箱の中に、包丁とフライパン、まな板が入っているが、いずれも粗悪なもので使い物にならない。日本から日本製のものを持参するのがよい。

大学までの通学

大学までは、自転車で10分、徒歩20~30分ほど。トラムも通っているが、使っていない。雨の日も、オランダ人は自転車を使っていることが多いので、自分もそれに倣った。

 

② 食事

外食は友人との付き合い以外では基本的に利用しなかったので、自炊していた。近所に安いスーパーがあるので、そこでパスタやパン、ハム、チーズ、野菜などを購入していた。安いといっても、日本よりも1.5倍くらいの値段はする。安いものは日本と同じか、日本よりも安いので、現地で安い食材を使って自炊するように心がけていた。特にチーズ、加工食品、乳製品、パン、パスタ、野菜は、かなりお買い得であることが多かった。日本の米は5キロ20~30€くらいで高いので、自分はスリナム米(4kgで10€くらい)をよく食べていた。味は日本の米と全然違うが、気にはならなかったので、日本の米を食べたくなることはほとんどなかった。

外食は、少なくとも10~20€はかかる上に、そこまでおいしいものはオランダにはない。学生寮の敷地内には、韓国料理屋とピザ屋、ケバブ屋があったので、時々友人とそこで夕食をとることはあったものの、どれもそこまでおいしいわけではない。オランダにいると、自分でおいしいものを作ろうという気持ちに自然なるので、日本にいた時よりも自炊のスキルか向上したと思う(特にパスタ料理)。

 

③インターネット環境

日本から普段使っているノートパソコンを持参した。入居初日はうまく接続できなかったが、次の日からは快適にインターネットを利用することができた。メールや検索、YouTube、LINEのビデオ通話等の利用に関しては、全く問題ない。同じ学生寮で、PS4やコンピューターゲームをしている学生もいたので、インターネットの速度は悪くはないと思われる。

 

④住居に関するアドバイス

私は、自分が利用していた学生寮を、後輩にも勧めたい。自分が選択した学生寮は、大学が用意している学生寮の中でも一番安いところだったので、あまり期待はしていなかった。しかし、実際1年住んでみて、そこまで悪いとは思わなかった(もちろん、北大近辺で下宿していた時に利用していたアパートの方がよかったと思う)。必要なものがきちんと利用できたので、全く不満はなかった。他の選択肢としては、10人で1つのキッチンを共有するタイプのアパートや、完全個室型のアパートもある。私は前者に訪問したことがあるが、キッチンを清潔に保つことができないがために、かなり苦労しているようだった。しかし、友人を作りやすい環境ではあったので大変うらやましかった。

アムステルダムの部屋探しはかなり厳しいことが知られており、一般的に家賃もかなり高額であることが多い。自分は大学の紹介で、比較的簡単に部屋を見つけることができたが、大学の協力がなければ部屋探しはかなり厳しいものだったと推測する。特別なこだわりがない限り、大学経由で部屋を探すことを強く推奨する。

 

5.留学生活全般について

1留学で学んだこと

(1)自分の無知

外国で大学生活を送っていくにつれて、いかに自分が無知であるかを痛感した。オランダをはじめ、周辺国の地理、歴史、文化、外交関係、言語、自分の専攻など、オランダ人やヨーロッパ系の学生の中ではいわば常識ともいえるようなことを、自分は知らなくて、大変苦労した。出国前に、十分に予習するべきだったと後悔している。

さらに重要なのは、自分が日本のことについても、十分に理解していなかった、ということである。日本人として、外国人の学生から、日本の歴史や文化について説明を求められたときに、いかに自分が日本についての見識が欠けていたかを知ることとなった。自分の国のことなのに、日本のことをうまく外国人に説明できなかったことが何度かあり、大変恥ずかしい思いをした。これから海外留学をする学生は、文化や伝統、政治、外交、社会問題など、日本の幅広いテーマについてについて、深く分析し、英語でそれを説明できるように訓練しておくとよいだろう。

(2)語学力

約1年間オランダに滞在し、現地の大学で学生生活を送る過程で、英語力をかなり鍛えることができた。数年前までは、駅で話しかけられた外国人に、乗り換え案内もできなかった自分が、現在では、つたないながらも、知的財産法の講義で英語のプレゼンテーションをしたり、友人とバーで談笑したり、旅行中のトラブル対応をしたりできるようになった。もちろんはじめは、授業についていくのがやっとで、英会話以前に、聞き取ることもままならない状態だった。何もわからないまま、授業がどんどん進み、予習復習に追われて、自分の英語力の低さに絶望する日々だった。しかし、やるべきことを、淡々とこなしていくうちに、徐々に英語力が向上されていく実感を得た。

だからと言って、現在の自分の英語力が完璧だという自信はない。これからも英語力を向上させる努力は、怠らないように努めるつもりである。

(3)議論における心構え

様々な国籍、人種、民族の方と会話、議論をしていくうちに、「議論における心構え」を学ぶことができた。それぞれ、育った環境も違えば、話す言語も、大切にしている価値観や信条も異なるので、それぞれが、自分の正義を主張すると、必ずぶつかり合うことになる。そこで大切なのは、相手がいかなる価値観を有しているのか、どのような偏見を自分に対して持っているのか、相手の国籍、文化、宗教などを参考に寄り添って理解し、尊重してあげることである。ときには「妥協」し、譲れないものに対しては「主張」をする、この両者のバランスが非常に重要であることを留学を通して痛感した。

おそらくこれは、日本人同士の話し合いの中でもとても重要な気がする。関東で育った人、北海道で育った人、札幌で育った人、函館で育った人、日本人の中でも、それぞれ異なる価値観、文化を持っている。相手の背景を知り、相手に寄り添って理解し、尊重しあう中で、良い議論が行えると考えた。

2 トラブルの対処について

自分は基本的に、トラブルが発生しないように、事前にできるだけ下調べをして、準備をするように心がけた。ケガや病気をした際の医療機関を調べたり、薬や絆創膏を常に携帯したり、現地の日本大使館の連絡先や住所を調べたり等、事前にできることはすべて準備をしておいた。

それでも海外では、トラブルには高確率で遭遇するので、できるだけ柔軟に対応できるように、楽観的かつ、冷静であるように心がけた。うまくいかないことがあっても、決して感情的にならず、すべきことをただ淡々とこなせるような心構えが大切である。

3 留学中心配だったこと

カルチャーショックと言えば、人間関係のことだろう。日本では、どこかに遊びに行く際に友人を誘うときに、全員がお互いに少なくとも知り合い以上であることを重視する傾向にある。大学の友人と遊びに行く際に、ついでにバイト先の友人や、自分の恋人を誘うことは比較的少ないように思える。しかし、東南アジア系や、ヨーロッパの人は、全く知らない人を、予告なしに誘って、いつの間にか大所帯になっていることがしばしばあった。現地の人間関係が希薄だった自分にとっては、友達作りの貴重な機会となったので、大変ありがたい文化だと思った。海外で学生をする中で、いかに日本人が共同体意識が強い民族なのかを認識することができた。

自分はカルチャーショックを、感じにくい、もしくは、楽しんで受け入れられるタイプだと感じた。もちろん、日本人一般の感覚からすれば、受け入れがたい文化や風習も散見されたが、楽しんで受け入れることができたと感じる。

4 後輩へのアドバイス

留学は、自分の視野を広げたり、当たり前だと思っていた価値観を覆すことのできる貴重な機会である。日本の文化や、基準などと比較しながら、いかに行動したら自分の視野が広がるのかを常に考えながら、外国での学問を楽しんでほしいと切に願う。日本で大学生をしていたら考えないようなこと、経験しないようなことに積極的に飛び込み、積極的に多くのことを学んでほしい。

はじめは、外国の文化に馴染んだり、大学の講義を理解したり、友人を作ったりするのが難しく、多くの留学生は苦労すると思う。しかし、自分のペースでいいので、自分らしくいることを心がけてほしい。そして、留学中は、外国語を使わなければならない上に、慣れないことを経験することが多く、ストレスを抱えやすいため、日本にいるときよりも特にストレスをためない努力を忘れないでほしい。不安なことや、悩みがあれば一人で抱え込まず、必ず誰かに相談などをして、ストレスの発散に努めなければ、容易に体調を崩すこととなるだろう。実りある留学生活にするためにも、自分の精神や身体は、自分で管理できるようにすることを覚えてほしい。

最後に、外国人との共生は、日本国全体として取り組むべき、喫緊の課題であることは言うまでもない。しかし、外国人や、多文化、多宗教の受け入れの体制は現段階で、十分にとられているとは言えないし、そもそも、日本国民の外国人に対する理解もいまだ不十分である。この状況のまま、外国人観光客の誘致、労働者の受け入れを加速してしまうと、間違いなく日本国民との分断が生まれるだろう。この問題解決に必要なのは、「他民族への理解」である。留学に限らず、様々な形の国際交流を通して、一人でも多くの日本人が、これから来日する外国人のことを深く理解してほしいし、一人でも多くの外国人が、日本のことを理解してほしいと強く望む。

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