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留学体験談

交換留学(ジュネーブ大学)

ジュネーブ大学_小熊 春輝さん

プログラム種別
交換留学
留学年
2024年
言語
英語
地域名
欧州
行先国名
スイス
大学名
ジュネーブ大学
部局名
法学部
課程
学士
新渡戸カレッジ
該当

ジュネーブ大学(スイス)2024年9月~2025年2月

1.渡航前の手続きについて

① ビザ(VISA)又は滞在許可書
スイスではビザが不要で、滞在許可証さえあれば生活できる環境でした。取得に際して、出国三ヶ月前までに進めておく手続きがあるのですが、現地到着後、ジュネーブ大学のサポートを受けながら申請しても十分間に合うので心配要りません。申請から取得までは二ヶ月半を要し、費用としては137スイスフラン(日本円で約2万円)かかりました。

② 航空券について
往路は成田空港を出てブリュッセル経由でジュネーブ空港に、復路はジュネーブ空港を出てフランクフルト経由で羽田空港に到着しました。いずれもANAとスイス航空の利用でスムーズに移動できるルートだったのですが、そのぶん割高だったため、トランジットが長くても気にならないようであれば、中国を経由して格安で向かうのが良いかと思います。なお、ジュネーブ空港が最寄りになります。

2.到着直後の手続きについて

① 大学関係
到着後すぐにオリエンテーションがあり、奨学金の受給方法や履修登録の仕方、学内サイトへのアクセスに必要となるVPNの設定など、時間をかけて丁寧に説明を受けることができました。滞在許可証の申請や保険加入にかかる諸々の手続きもサポートしてもらえました。一点、入寮にあたって事前に初期費用を払っておくべきところ、連絡を見落とし危うく鍵を受け取れなくなるところでした。事情を説明しなんとかなったものの、基本的に留学先からの連絡は熟読することをおすすめします。

③ 滞在許可書関係
上欄1-①に記載した通りです。

④ その他
ジュネーブ大学側から支給される奨学金がある場合、初月の奨学金のみ手渡しでの支給になるので忘れずに窓口に行く必要があります。

3.留学生活について

① 大学関係
ジュネーブは国際機関が多く所在する都市ということもあり、非常に国際色豊かな街でした。学内外問わず学生同士の交流も盛んで、キャンパスも活気に溢れていました。授業も魅力的で、実際に国際機関で職務にあたっていた人が教鞭を取っていたり、外部講師として招かれたりするだけではなく、国際機関にインターンシップをしに行く授業までも設置されているので、国際社会との距離がより身近に感じられることと思います。

② 大学の所在する街(町)の様子
基本的に治安は問題ありません。ただ夜になると、駅周辺に泥酔した人々が徘徊しがちなので、女性が一人で歩く際にはやや注意が必要かと思いました。気候は札幌と似ているか、むしろ積雪が少ない印象です。その分年の瀬が近付くと、専ら曇りの日が続いて気分が沈みがちになるので、積極的に外に出たり、身体を動かしたりして心を保っていました。買い物についても、不便はなかったです。食材も日用品も、欲しいものは基本的に揃いますがなにぶん物価が高いので、日本と同じ感覚でカゴに入れると一瞬でお金がなくなってしまいます。日本から持参できるものはある程度持ち込んだほうがいいかと思いました。

③ 授業について(そのⅠ)
僕が履修していたのは、国際関係論、比較政治、集団社会学、フランス語の授業でした。集団社会学の授業は中間/最終プレゼンによって決まりますが、そのほかの授業は基本的に学期末試験で測られます。課題がないぶん、授業のスライドに予め目を通して専門用語を調べておいたり、必読資料を事前に読んだりする必要がありました。成績はおそらく絶対評価です。留学生だからと言って甘く採点されることもなければ、不利な採点をされることもないので、普段の学習量と試験勉強期間の過ごし方が、良くも悪くも結果に全て現れたと思っています。

④ 授業について(そのⅡ)
(最も興味深かった授業)
集団社会学の授業が一番興味深かったです。集団行動における感情の生成プロセスや、感情が個人の意思形成へ与える影響など、特定の条件下で生じる感情が社会生活の中でどう作用しているか探究する授業なのですが、アジアンヘイトなどの実例と紐付けて学ぶことができたので、効果的に理解することができ非常に楽しかったです。教授も品があって優しい方でした。
(最も困難だった授業)
比較政治の授業が一番大変でした。元々比較政治学に強い関心があったわけではないこともありますが、専門用語が多い上に取り扱われる項目が多く、途中からパンクしかけていました。一方通行の講義とは別で定期的に開講されるTutoratという形式を取る日もあったのですが、そこで指定される事前学習の量が膨大で、その論文を一つ読むのに一時間以上要したこともあります。正直なところ、よほどの熱量がない限り、あまりおすすめはしません。

⑤ 大学が提供するサービスについて
学業面についてはコーディネーターの方と相談する環境は用意されていますし、精神面でもカウンセラーの方が在籍しているので心配要りません。課外活動については、いわゆる文化部から運動部まで幅広く設置されていますが、参加は任意です。私の周りでは、模擬国連サークル、東アジア研究会、学生オーケストラ、バスケットボール部などに所属している友達がいました。

4.住居と食事について

① 住居
いわゆる学生寮でした。一人一部屋で、室内には手洗い用の水道やデスクライトなどもあったので、不自由なく過ごせました。共用スペースは、キッチンとシャワーとトイレの三つです。調理器具や食器も粗方揃っていました。地上階にはコインランドリーがあり、地下には24時間使える学習スペースがあり、そのほか音楽室、サウナ、体育館、スカッシュコートまでも設置されていました。なお、希望する棟によってはルームメイトと共同生活することになりますが、大半は一人一部屋を選択していました。寮費はひと月531スイスフラン(日本円で約9万円)で、大学までの通学時間はトラムで約20~25分ほどでした。

② 食事
食事は毎回自炊していました。パスタが主食の一つなので、スーパーに行くとパスタやトマトソースなどが豊富に取り揃えられており、値段もとても良心的です。野菜や果物、乳製品も全般安いです。肉や魚は比較的高いので、隣国フランスに赴いて仕入れることで費用を抑えていました。朝はヨーグルトまたは牛乳とパン、昼はパスタ、夜はリゾットという食生活でした。昼食については学食も利用できますが、一食最低5スイスフラン(日本円で約900円)するので、オンデマンド受講を積極的に活用して、寮で自炊していました。

③ インターネット環境
日本からはタブレットとノートパソコンを持参しました。寮及び学内にインターネットはあったものの、寮のWi-Fiはほぼ使い物にならなかったので、ほとんどモバイルデータ通信を使っていました。これは現地に着いてから、現地の通信事業社と契約しSIMカードを入手した形です。それに伴って電話番号も一時的に変わりましたが、特に不自由はありませんでした。

④ 住居に関するアドバイス
必要なものは基本的に揃っていますし、仮に共有物が壊れた場合でも依頼すればすぐに修理してもらえますし、半月に一回部屋の掃除もしてもらえます。ヒーターも常時稼働していて快適な上に、電気も水も使用量に制限がないので、強くおすすめします。

5.所要経費について
① 1年間(または1学期間)の所要経費について
往復航空運賃は約10万円(マイル利用のため手出しは少なかったです)、留学保険料は約7万円、住居費は合計で約50万円でした。その他事前準備でかかったお金としては、TOEFL-iBT受験料が約4万円、パスポート取得代が約1万円でした。食費は月に2万円程度(自炊に力を入れました)、交通費については定期を購入する場合は月1万円、乗車頻度が少ない月は都度乗車券を購入することで出費を抑えていました。なお上述したデータ通信は月3千円程度でした。その分、娯楽費が占める割合が大きく、月3-4万円は使っていた印象です。

6.留学生活全般について
私はこの留学を通し、興味のある学問に対して自発的に学ぶことの楽しさを強く実感しました。これまでの私は「単位を取らなければいけない」という思いが先行してしまい、理解が甘い状態で試験に臨んだり、想像と違った内容でも無理して講義を受けたりと、学問と根本から向き合う姿勢が足りていない部分が正直ありました。しかしジュネーブ大学では、そのようなプレッシャーを一旦取り払い、以前から関心がある分野に対して純粋な気持ちで取り組むことができたと自負しています。

もちろん、わざわざ留学しているのだから一層気合を入れて頑張らなければいけないという意識もありましたが、それ以上に周囲の友達が明確な目的意識を持っており、自分が授業をリードすると言わんばかりに授業に臨んでくれた結果、僕自身も触発され発言の回数が増えたり自学のモチベーションが上がったりしたことも事実です。志の高い人たちに囲まれ、夢を語り合い、意見を闘わせた日々は自分の中で大きな財産になっています。

またなにより、自分が生きてきた世界がいかに小さく凝り固まっていたか思い知らされました。同時に「海外」「世界」という言葉に対して自身がどれほど幻想を抱いてきたか痛感させられました。生活している中で差別を垣間見る瞬間もありましたが、それがいい意味で自分に鞭を打ってくれました。

自分が本当にしたいことは何か、自分の決断は自他共にいかなる影響を与えるのか、自分はそれで後悔しないのか、常に自分の頭で考えて生きていきていこうと思うようになりました。

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