留学情報

留学体験談

交換留学(オーフス大学)

オーフス大学_Kさん

プログラム種別
交換留学
留学年
2023年
言語
英語
地域名
欧州
行先国名
デンマーク
大学名
オーフス大学
部局名
農学部
課程
学士
新渡戸カレッジ
該当

オーフス大学(デンマーク)2023年8月~2024年7月

【所要経費】
11ヶ月でおおよそ280万円です。往復航空運賃25万円、留学保険料16万円、住居費70万円、食費、交通費、旅費、合わせて170万円程度(15万円/月)。長期休み期間中の旅費、最後の土産代がかなりあるため月単位は実際一定ではないです。

1.渡航前の手続きについて

・ビザ(VISA)又は滞在許可書

https://www.nyidanmark.dk/en-GB/You-want-to-apply/Study/Higher-education?anchor=howtoapply
上のResidence permit(study)がビザの代わりです。東京にあるデンマーク大使館へ行き、必要書類の提出と生態認証を行います。1年の留学居住許可に2490DKK(5万円前後)の支払いが必要でした。大使館で受理(5月下旬)されたのち、許可が下りて書類が届くまで2ヶ月半かかりました。はやめの申請をお勧めします。一応入国後の取得も可能です。

2.到着直後の手続きについて

①大学関係

家は事前にAU Housingで決まっていました。鍵を受け取り、部屋に入っていたらルームメイトも同日に到着しました。授業は出国前、8月頭までに希望登録を提出済みで、8月末の時間割発表が確定連絡でした。オリエンテーションなどは(8/20前後~)留学生全体、学部、学科、と別々にありそれらの連絡は北大のメールへ何度も送られてきます。ぜひ参加してください。すぐ授業が始まったので、他はルームメイトやクラスメイトに聞き、メンターやコーディネーターもなんでも質問に答えてくれるので問題ありませんでした。
大学が提供するサービスでメンター制度というものがありました。同じ学部のデンマーク人、正規留学生が相談相手になってくれるものです。クラブ活動や、授業が始まる前の質問にも答えてくれて助かりました。大学の学部、留学生の支援団体が主催するイベント、パーティが多数あり、そこで知り合いができたり友人と仲が深まったりしました。留学生同士、デンマーク人と留学生が知り合う機会が多数設けられていました。イベントの出欠、中古品の売買などでも、フェイスブックの利用率がデンマークは高いです。学業では、先生との距離が近く、質問をしやすく、丁寧に対応してくれます。レポートが間に合わない、グループのメンバーに不満がある、などなんでも相談すると力になってくれる存在が心強かったです。

②滞在許可書関係

住民全員に与えられる、CPRナンバーとイエローカード(国民の医療カード)の取得は、Dokk1という行政の事務所のような場所にオンラインでアポ取り→対面申請し、日本人はパスポートの他に出生証明書の写真が必要です。経費はなかったと思います。CPRナンバーが与えられれば、MidtIDなどの申請が可能です。Residence CardとYellowCardが郵送されてくるのでそちらを身分証明書兼ビザとして持ち歩きます。8月末に申請完了、カードが9月中には届いていました(8/16渡航)。CPRナンバー、Residence cardが届くとDigital postやMidtIDへの登録が指示されますが、私は結局二つとも不要でした。銀行口座は開設せず、Wiseのカードで支払いを行い、Mobile Payも希望であれば作れます。とにかくオンライン、ペーパーレスなので必要に応じて対応していけばいいと思います。

3.留学生活について

①大学関係

オーフスはデンマークの第2の都市とはいえ人口30万人、周辺は農地や海に囲まれたのどかな学生街でした。大学は広々としていて緑が多く、市内にキャンパスが点在してはいるものの自転車圏内です。留学生はヨーロッパ出身が多く、北欧やオランダ、ドイツなど近隣国出身者が特にいます。アジア人留学生で最も多いように感じたのは日本、香港、シンガポールから、各20-30人程度。理系クラスにはほぼアジア人はいませんでした。坂の多い街で、通学はどちらかが登りになります。自転車や徒歩で通う人が多く、のんびりした雰囲気です。多数の学部学科ごとにバーがあり、特色があって面白いです。クラスにデンマーク人もいて、現地の友人も作ることができる多様な場所でした。

②大学の所在する街(町)の様子

オーフスは田舎街ですので治安は日本よりもいいと言われています。深夜早朝も安全な静けさですし、カフェの外で赤ちゃんがベビーカーで寝ているなどお互いの信用度が高い国です。気候は緯度が高いこともあり夏は冷涼(湿気はなく最高でも25℃程度)、最も日長が長い時期は4時―23時まで明るいです。逆に春秋は雨嵐がひどく、毎日の降雨に慣れるしかありません。冬の気温は札幌よりは寒くなく、雪が2回だけ降りましたが-6℃程度までしか下がりませんでした。しかし日の出は9時、15時半で真っ暗のためビタミンDの経口摂取をして鬱病を回避しましょう。スーパーはRema,Lidl,Nettoなどが多数存在し、アジアンスーパーもあります。食料以外の買い物でも困ることはありません。ただ、高いです!!中古店も多数あるのでそちらを利用すれば、大丈夫です◎

③授業についてⅠ(内容・課題・成績評価について、特別なサポート / 特に苦労したこと / 困ったこと等)

Department of agroecology/Agrobiologyの授業を履修し、作物生理学、作物管理学、有機農業、農業生態毒性学、世界の農業に関して学びました。自分の専門に近い内容で、講義(1授業週に3-4時間×2)と実習(2泊3日×3など)、遠足などが組み合わさっていました。留学生に対するサポートなどは特別ありませんでした。大学院の授業でも、私は学部留学生一人でしたが他と同じ扱いで入れてもらいました。講義はテーマごとに区切られ、1学期に8-10の課題レポート、グループ課題、プレゼンがありました。グループ課題は人と集まることが必要なため多くの時間を割きました。成績評価は個人のプレゼンと、それを基にした質疑応答の口語試験がありました。苦労したことは、英語での口語試験です。いざ説明しようとなると農学用語が英語で分からず、説明しづらいことがもどかしかったです。

④授業についてⅡ(最も興味深かった授業 / 最も困難だった授業)

興味深い:AdvancedCropManagement(作物管理学)という授業です。
大学院の授業で、デンマークの土壌、気候環境、法律、有機農業認証(デンマークは有機農業大国のため)、消費者の需要など様々な要素を学び、考慮しながら日々最善の農業へとアップグレードする過程を知ることができました。EUの規則は特に環境配慮の記載が多く、肥料などをいかに効率よく、収量を維持したまま投入するか、そのほかの作業についても実態を具体的に学ぶことができて非常に面白かったです

困難:農業生態毒性学
興味関心があまりなかった授業でした。化学式や薬剤の物質名が英語で書かれ、それの翻訳と理解に苦しみ、また半減期などの計算、物理が苦手で苦労しました。最終レポートでは生態系に害をなしている薬剤の物質を1つ決め、別で代用できないか、地球環境への影響を少なくするには、などを議論しなければなりませんでした。日本語ですら内容が難しかったです。

4.住居と食事について

①住居

アパートに、ドア付きの寝室×2、キッチンとバスルーム共有の2人暮らしでした。ルームメイトは同じ期間滞在するイギリス人留学生女子でした。家賃は月約3000DKK(5.3~6.8万円)、通学は自転車(中古で買ったもの)で15分程度でした。駅までも徒歩20分、大学も近く立地が良かったためデンマークにしては破格の家賃でした。私は壁1面窓の東向きで光の入る明るい部屋でしたが、ルームメイトの方は廊下に面していて寒く暗い部屋でした。

②食事

完全自炊です。外食は、高すぎる/冷たい料理が多い/好みでないなどの理由から避け、調味料を買ってご飯・パスタ・パンとスープばかり食べていました。昼はカフェテリアで食べ、1食満足にとって800円程度でした

③インターネット環境

Wifi付きの部屋でした。接続は、悪い時もありましたがそこまでの問題ではなかったです。私の部屋にルーターがあったため再接続などもしやすかったです。1人2台が限界だったと思います。

④住居に関するアドバイス(後輩の皆さんに自分の住んでいた住居をすすめたいですか?)

寮に暮らしている留学生が多い中、2人暮らし、4人暮らし、1戸建てにシェアハウス10人など多数の選択肢があります。値段は私のタイプが一番安そうです。寮の良さは、10人ほどでキッチンシェアをするため家で身近な友人が多くできますし、パーティグループのような大人数の所属場所があります。一方で私の2人シェアハウスは2人で濃密な関係を築けます◎ 「2人きり」というのはウマが合わない時のリスクも高く、私はラッキーでした。寮の立地は大学の北、バスでも遠い場所が多かったです。理由は分かりませんが中心地はアパートが多い印象です。

6.留学生活全般について
1年間の留学生活、ヨーロッパ生活は私に様々な刺激を与えてくれました。
大学生活に関しては、デンマーク人やヨーロッパ人学生の勤勉さを目の当たりにしました。デンマークでは、学費が無料な上に生活費も国が払ってくれるため、「今、勉強したいから」大学にいる人が大多数でした。予習や課題の取り組む態度もそうですし、授業では活発に議論や質問が起こります。理解の深さから説明できる力も高く驚きました。私は英語が慣れていないことを言い訳にクラス内での発言や質問を躊躇してしまった時もありましたが、聞くことが大半の日本の授業とは似ても似つかないものでした。グループ課題が多く、クラスメイトと考えを共有し課題に対して議論を深めていくことは非常に楽しいものでした。仲間と一緒に学んでいる実感が強く、教授は質問を喜んで受け付けてくれるため距離の近さがあり、自分にあっていました。デンマークでは、口語試験に向けて講義内容を理解し、他人に説明し、(農学の場合)自分で設定した環境・システムへ知識を応用するところまで求めてきます。教科書を暗記し記述式試験が多い日本とは別の大学教育の在り方を見ることができました。また留学中に得た大きなものの1つは、友人です。オーフスではアジア・アフリカ人はごく少数で、留学生もほぼ欧米(欧8:米2)人でした。イギリス出身のルームメイトと、毎日様々なトピックを話し、食事を共にし、生活の様子を見てお互いに影響を受け合ったことは貴重な経験です。差別とは何か、多様性とは何か、世界の中のヨーロッパ、逆に日本はどのような国、人として見られているのかを相対視できました。特に差別に関しては、多様な人種が暮らしているため見た目で判断することはタブーです。私がアジア人の見た目をしているからと言って、英語ができないだろうと考え、ゆっくり話すことや英語分かる?と聞くことは差別です。表面的には分からずとも、私自身が英語に使い慣れていないということを相手に伝えゆっくり話すよう言わないと、彼らはそうしないのです。それは気遣いが足りないのではなく、差別をせず平等に扱っているということなのです。このことを理解し、納得した瞬間は衝撃的でした。また日本人であることは好意的に受け取られることが多く、日本の良さを知っている外国人が多く存在していることも驚きでした。北欧やデンマークの良さを知ると共に、ヨーロッパに出て気が付く日本やアジアの特徴、良さも見ることができました。言語に関しても、様々な変化が内部で起こりました。留学2ヶ月目後半に、言語処理で日本語を介さなくなりました。脳内が英語になることで、英語の処理能力、学習能力、会話能力が飛躍しました。日本語を維持しつつも、英語が優占的になり、第3言語としてデンマーク語を生活や語学学校で使う3重生活が続きました。授業で農学専門用語を学べたこと、日常会話の英語を磨けたこと、様々な面で上達があったことは間違いないです。それは友人との会話を沢山重ねたこと、英語圏外を選んだことが非常に良かったと思っています。留学は行くべきだ、という意見が既に多いと思います。私はそれに賛成しますし、どんな形でも国外に出る意義があると感じます。留学生という立場は受け入れられやすく、仲間も多いです。そのような人たちと出会い、学び、遊び、一緒に乗り越えた経験が人生の財産になります。海外に一人で飛び出しても、暮らしていけるのだという自信、様々な場所でできた人の繋がりを大切にしたいと思います。これまでたくさんのサポートに支えられてきたことに感謝したいです。

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