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留学プログラム
海外ラーニング・サテライト


タイと日本の共同教育によるアジアの獣医学を担う獣医師養成プログラム
概要
本学学生は2024年9月30日(月)〜2024年11月22日(金)までの8週間カセサート大学カンペンセンキャンパスに滞在し、同大学6年生に対して開講されるクリニカルローテーション(臨床実習)に参加し、8単位を履修・修得した。本プログラムは、食料の安全・安心の確保、感染症制御および野生動物の分野を中心に学ぶことを主な目的としており、授業科目は大動物(牛、馬など)、産業動物(豚、家禽、エビや魚などの養殖)および野生動物の臨床実習とした。本学学生はカセサート大学の臨床実習スケジュールの中でこれらの科目を履修し、同大学教員による成績評価を受けた。また、本学学生の滞在期間中は、AIMSプログラムにより本学と共同でカセサート大学との交換留学を実施している酪農学園大学からの派遣学生も同様に臨床実習に参加した。日本人学生が所属するグループでは、授業・実習は英語で教授され、各ローテーション先での実習終了時には、学生がその週の学習内容をまとめて発表する時間が取られ、同分野に所属する教員との質疑応答が行われた。
また、今年度は交換留学プログラムによる学生派遣10年目、かつカセサート大学獣医学部創設75周年に当たることから、学生派遣のタイミングに合わせて10周年の記念シンポジウムを開催した(https://www.vetmed.hokudai.ac.jp/project/ivep/overseas/KU/)。シンポジウムは2024年9月30日(月)にカセサート大学カンペンセンキャンパスにおいて実施し、カセサート大学、酪農学園大学、北海道大学の各学部長の他、それぞれの大学から数名の教員と今年度の交換留学に参加する各大学の学生11名を含む50名以上が参加した。
臨床実習プログラム
大動物臨床実習(3週間):牛や水牛などを中心に、附属動物病院での臨床技術の習得、往診随行および畜産の盛んな地域にあるノンポーキャンパスでの臨床実習にそれぞれ1週間配属された。日本ではみることのない感染症や日本とは異なる飼養管理の状況および疾病の発生状況に触れ、日本とタイとの獣医療に求められている獣医療の役割の相違を知るとともに、その侵入によりわが国の畜産業に多大な被害をもたらす感染症発生例(口蹄疫、ランピースキン病など)とその対策の実際を経験した。とくに、ランピースキン病は昨年わが国で初発生例が報告され、その際には担当獣医師の同疾病に対する理解不足から報告までに日数を要したことが問題として指摘されている。現在その再侵入を食い止める対策が喫緊の課題となっており、症例と対策を経験したことの意義は大きい。
馬臨床実習(1週間):本学では、帯広畜産大学との共同教育課程の中で馬の臨床教育は帯広畜産大学教員が担当しているが、その多くの時間は馬ハンドリングなどの導入教育あるいは競走馬を中心とする高度獣医療に充てられており、ごく普通の臨床例に触れる機会が不足している。本プログラムの馬臨床実習は、そのギャップを埋める役割を担っており、後述の産業動物、野生動物を含めた臨床実習を提供する機会となった。
産業動物臨床実習(3週間):豚、家禽、エビおよび魚類の養殖などの農場管理と獣医療を学ぶ臨床実習にそれぞれ1週間参加した。なかでも、わが国が最も侵入を警戒している感染症の1つであるアフリカ豚熱の症例およびその対策に触れる機会を得たことは、極めて有益な経験であった。また、日本では豚、家禽、水生動物の養殖に関する獣医療は、農場の衛生管理および生産性の低下に関わる因子の摘発と対策が中心となっており、専門性の高い獣医師が従事する分野となっている。現在、この分野を担う獣医師の育成が大きな課題となっているなかで、農場運営に関わる獣医療を経験できたことはこの分野への理解を深めることにつながった。
野生動物臨床(1週間):日本の大学では臨床実習として野生動物の臨床例を経験できる機会は皆無であり、本実習は学生にその機会を提供した。対象動物は小型の哺乳類や両生類から野鳥やゾウに至る幅広い動物種の症例が経験できた。野生動物分野に関しては、その性質上診療方針や診療技術などに関して、家畜や伴侶動物とは異なる視点での対処が求められており、その考え方や実際を経験できたことは重要であった。
事前学習
カセサート大学との交換留学プログラムは、獣医学部が運営している国際獣医師人材を育成する獣医学教育世界展開プログラム(IVEP)の1つとして実施されており、派遣が決まった学生はネイティブスピーカーである専任教員による英語によるコミュニケーション力を養う研修を受講する。英語での授業への対応を念頭に置いた研修であり、大学での授業や生活で多用される英語特有の言い回しや、専門用語を含めた語彙力の強化などが中心となる。また、クラス内での学生とのコミュニケーションを誘導することで、「英語での発言」に対するハードルを下げる効果も狙いに含めた研修である。
本プログラムは8週間(8単位取得)という期間での留学であり、派遣先大学の正規授業に参加することからタイ国の獣医教育や獣医療に関する事前研修を実施している。また、タイおよびカセサート大学の歴史、宗教、政治経済などの国情に加えて、生活支援や健康管理を含めた安全教育を実施している。これらの事前教育は、それぞれのトピックについて派遣学生が調べた内容を英語で発表し、その発表内容について派遣学生全員とプログラム担当教職員(4名)および英語専任教員を交えて質疑応答、補足情報の提供などの形で実施した。各回2時間程度、計5回を実施した。
- 年度
- 2024年度
- 実施期間
- 2024/9/27~2024/11/24
- 分野
- 獣医学
- エリア
- アジア
- 派遣先
-
タイ
カセサート大学
- 実施責任者(所属部局・氏名)
-
獣医学研究院
片桐 成二 教授
- 提供科目名(開講部局・単位数)
- アドバンスト演習 国際獣医学アドバンスト 【AIMSプログラムにおける大動物獣医療実習I】(獣医学部・1単位)
- 履修者公募の有無
- 有
更新日:2025年8月14日